相対論的重イオン衝突実験で見られる動的相転移とクォーク・グルオン多体系の物性研究

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18540278
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
• 研究機関: 高知大学
• 研究代表者: 津江 保彦 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (10253337)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2009
• キーワード: クォーク・グルオンプラズマ / カイラル対称性 / カラー超伝導 / 相転移 / QCD物性 / 高エネルギー原子核衝突

研究概要

高エネルギー原子核衝突実験で実現されると期待される相転移に関し、パイオン対励起を考慮した有限温度でのカイラル相転移の記述に成功した。また準安定状態として異方カイラル凝縮体の発達が可能であることを明確にした。ハドロン相とカラー超伝導相の相転移についてクォーク・ボン模型でその相構造を明らかにした。さらにクォーク・グルオン多体系の流体的特徴として、量子グルオン流体の粘性係数が小さいことを示した。

研究成果

• [雑誌論文] Time-Dependent Variational Approach to the Non-Abelian Pure Gauge Theory (2009)
  • 著者名/発表者名: Yasuhiko TSUE, Tong-Gyu LEE, Hiroshi ISHII
  • 雑誌名: Progress of Theoretical Physics誌 Vol.122,No.5 ページ: 1169-1188
  • 査読あり
• [雑誌論文] Many-Quark Model with su(4) Algebraic Structure (2009)
  • 著者名/発表者名: Yasuhiko TSUE, C. PROVIDENCIA, J. da PROVIDENCIA, Masatoshi YAMAMURA
  • 雑誌名: Progress of Theoretical Physics誌 Vol.121,No.6 ページ: 1237-1287
  • 査読あり
• [雑誌論文] Variational Approach to the Chiral Phase Transition in the Linear Sigma Model (2009)
  • 著者名/発表者名: Yasuhiko TSUE, Kazuki MATSUDA
  • 雑誌名: Progress of Theoretical Physics誌 Vol.121,No.3 ページ: 577-591
  • 査読あり
• [雑誌論文] Semi-Classical Approach to the Two-Level Pairing Model-Various Aspects of Phase Change- (2007)
  • 著者名/発表者名: Yasuhiko TSUE, C. PROVIDENCIA, J. da PROVIDENCIA, Masatoshi YAMAMURA
  • 雑誌名: Progress of Theoretical Physics誌 Vol.117,No.3 ページ: 431-449
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effects of mode-mode and isospin-isospin correlations on domain formation of disoriented chiral condensates (2006)
  • 著者名/発表者名: N. Ikezi, M. Asakawa, Y. TSUE
  • 雑誌名: Physical Review誌 C73 ページ: 045212 1-10
  • 査読あり
• [学会発表] Time-Dependent Variational Approach to the Non-Abelian Pure Gauge Theory (2009)
  • 著者名/発表者名: 津江保彦
  • 学会等名: 第3回日米合同物理学会
  • 発表場所: Hilton Waikoloa Village, Hawaii, USA
  • 年月日: 2009-10-15
• [学会発表] 変分法による線形シグマ模型での有限温度カイラル相転移 (2008)
  • 著者名/発表者名: 津江保彦
  • 学会等名: 日本物理学会2008年秋季大会
  • 発表場所: 山形大学
  • 年月日: 2008-09-20
• [学会発表] グルオン場に対する変分法と、グルオン物質への適用 (2008)
  • 著者名/発表者名: 津江保彦
  • 学会等名: 日本物理学会第63回年次大会
  • 発表場所: 近畿大学
  • 年月日: 2008-03-26