研究概要 |
核力においてデルタ粒子の励起に起因する三体力を評価し、殻模型有効相互作用めアイソスピンT=1のチャネルでのモノポール項の斥力の主な起源になることを明らかにした。また、この三体力にはπ中間子の交換によるテンソル力成分が主要な寄与を与えることも明らかにした。との様な三体力に起因するT=1チャネルでの斥力等、核力のテンソル成分の重要な役割をより効果的に殻模型ハミルトニアンに取り入れるごとが、ドリップ線近傍核での殻構造め変化を引き起こし、例えば中性子過剰核^<17>Cにおける磁気双極子遷移の異常性を再現するために重要であることを示した。 星内部でのニュートリノ過程による元素合成過程の研究を発展させた。超新星ニュートリノによるニュートリノ-原子核反応の断面積の評価をFe, Ni等fp殻核に対象拡大して行なった。新しい殻模型ハミルトニアンおよび集団模型モデルに基づき、ガモフ・テラー遷移に限らずスピン双極子遷移の寄与も取り入れ、荷電変換反応、中性カレント反応の断面積を求めた。特に^<56>Niの中性カレント反応による粒子放出反応をハウザー・フェッシュバッハ理論に基づき詳しく調べ、Mn、Co元素合成率が、ガモフ・テラー遷移強度の分布・分散およひ陽子放出チャネルの分岐比に大きく依存することを示した。種族IIIの星でのMn、Co元素合成率が従来の結果より増大することを示し、重元素合成におけるニュートリノ過程の重要性を明らかにした。
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