研究課題/領域番号 |
18540290
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
鈴木 俊夫 日本大学, 文理学部, 教授 (70139070)
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研究分担者 |
千葉 敏 (独)日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究主幹 (60354883)
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キーワード | 殻模型 / ガモフ・テラー遷移 / 電子捕獲反応 / 第一禁止遷移 / ベータ崩壊 / r-過程 / テンソル力 / 三体力 |
研究概要 |
高温、高密度の星内部での電子捕獲反応の研究を行った。新しい殻模型ハミルトニアンGXPF1によるガモフ・テラー遷移強度分布を用いて、Ni、Fe同位体からの電子捕獲反応率を評価し、高温(T_9>5)では従来のKB3Gに比べ概ね捕獲率が30%ほど減少し、低温(T_9<2)では低励起エネルギー状態での遷移分布に敏感に依存することを見い出した。特に、^<58>Ni、^<60>Niでは低温で捕獲率が増大する。 中性子数N=126のr-過程での滞留核のベータ崩壊を殻模型を用いて研究した。ガモフ・テラー遷移および第一禁止遷移からの寄与を共に評価して、アイソトーンの寿命を求めた。第一禁止遷移が寿命を著しく減少させることを示した。また、この短寿命がr-過程での元素合成、特に質量数A=195付近の第三ピーク核の合成に及ぼす影響を調べた。 デルタ粒子の励起に起因する三体力を評価し、殻模型有効相互作用のアイソスピンT=1のチャネルでの2体力のモノポール項およびマルチポール項への寄与をsd殻核、pf殻核において求めた。この三体力は中性子過剰核では斥力として働き、酸素同位体、カルシウム同位体の基底状態のエネルギーの振舞いを良く説明することができる。特に、酸素では^<24>Oがドリップ線核になることを示すことができた。 モノポール項の性質に基づき、ベアなテンソル力の性質をそのまま保った普遍的な核内有効相互作用を構築した。この相互作用を用いて、崩壊線近傍での魔法数の変化等の殻進化、すなわち有効一粒子エネルギーの変化を多くの核領域で記述することに成功した。
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