研究課題/領域番号 |
18540291
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鷹野 正利 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00257198)
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研究分担者 |
親松 和浩 愛知淑徳大学, 現代社会学部, 教授 (10262883)
住吉 光介 沼津工業高等専門学校, 教養科, 准教授 (30280720)
山田 章一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80251403)
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キーワード | 一様核物質 / 状態方程式 / 変分法 / 中性子星 / 超新星爆発 |
研究概要 |
現実的核力から出発し、超新星(SN)爆発シミュレーションに適用可能な核物質状態方程式(EOS)を作成する基盤として、一様核物質EOSを整備し、さらに中性子星クラストのEOS計算を行なった。 まず、絶対零度の一様核物質EOSを整備した。特に、非対称核物質EOSを直接計算し、その陽子混在度x依存性を詳細に検討した。その結果、非対称核物質エネルギーを対称核物質と中性子物質のエネルギーの補間により求める際、単に陽子混在度xの2次関数を仮定する場合に比べ、フェルミ気体エネルギーを除いた残りの部分をxの2次で補間する場合の方が、補間の精度が向上する事が確認された。 この補間法を利用して、Thomas-Fermi計算により原子核質量及び半径実験値の大局的性質を再現するように、一様核物質EOS中の3体力エネルギー寄与に含まれる、3体核力の不定性に関連するパラメターの微調整を行なった。その結果、原子核質量実験値を誤差3MeVで再現するEOSを構築する事に成功した。これはWeizsacker-Betheの半経験的質量公式と同程度の精度である。またβ安定線も良く再現されており、陽子中性子drip lineの位置も、最新の質量公式の予測と非常に近い。 こうして得られた、多体計算に基づき原子核の大局的性質を良く再現するEOSを用いた、非一様核物質EOSの作成として、中性子星クラストに対するEOSの計算を行なった。ここで得られた、中性子星外殻や内殻に出現する核種は、他の代表的な理論計算結果と似ており、SNミシュレーション用EOSとして代表的なShen-EOSで予言される核種とは異なる事、そしてその主な原因は用いる一様核物質EOSの対称エネルギーの違いである事が分かった。
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