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2006 年度 実績報告書

大質量星重力崩壊による天体現象の極限物質科学に基づいた系統的解明

研究課題

研究課題/領域番号 18540295
研究種目

基盤研究(C)

研究機関沼津工業高等専門学校

研究代表者

住吉 光介  沼津工業高等専門学校, 教養科, 助教授 (30280720)

キーワード超新星 / 中性子星 / ブラックホール / 状態方程式 / ニュートリノ / 輻射輸送 / 流体力学 / 核データ
研究概要

大質量星の進化の最期に起こる重力崩壊は、超新星爆発やガンマ線バーストなど激しい天体現象の引き金であり、その跡に中性子星やブラックホールなどの高密度天体を残すと考えられている。しかし、どのような大質量星が中性子星・ブラックホールの起源となるのかは、爆発メカニズムとともに未だに定かではない。我々は、一般相対論的ニュートリノ輸送流体計算により、長い時間スケールに渡り数値シミュレーションを行なうことにより、星の重力崩壊から高密度天体形成までのダイナミクスを系統的に解明する研究を行なっている。特に、ニュートリノ輻射輸送を厳密に取り扱うことにより、放出されるニュートリノの性質を予測して、ニュートリノ観測による高密度天体誕生のダイナミクスを探ること、高温高密度状態にある極限物質の性質をプローブできることが特徴である。
今年度の研究により、通常の超新星爆発を起こす星よりも重い(太陽の40倍)大質量星の重力崩壊による天体現象の性質が明らかになった。こうした星では、鉄のコアが大きすぎるため爆発を起こす事ができず、降着物質のため原始中性子星の質量が増加して最大質量を超えてしまい再度重力崩壊を起こしてブラックホールとなってしまう。この様な、ブラックホール形成に至る場合のダイナミクスやニュートリノ放出シグナルの特徴を解明することに成功した。ブラックホール形成に至る時間は約1秒であること、超新星ニュートリノのエネルギー・光度が急激に増加することを明らかにした。これらは超新星ニュートリノ(約20秒)とは明確に異なる。さらに高温高密度状態方程式による違いがニュートリノ放出時間の違い(約2倍:バウンス後0.6秒と1.3秒)として顕著に現れることを発見した。これにより、地球上でブラックホール形成ニュートリノを検出することにより、放出継続時間を元に高温高密度物質を探ることが可能であることを確実なものとした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Gravitational collapse and neutrino emission of population III massive stars2006

    • 著者名/発表者名
      K.Nakazato, K.Sumiyoshi, S.Yamada
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal 645

      ページ: 519-533

  • [雑誌論文] Neutrino signals from the formation of a black hole : A probe of the equation of state of dense matter2006

    • 著者名/発表者名
      K.Sumiyoshi, S.Yamada, H.Suzuki, S.Chiba
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 97

      ページ: 091101

  • [雑誌論文] Gravitational collapse and neutrino emission of population III massive stars2006

    • 著者名/発表者名
      K.Nakazato, K.Sumiyodhi, S.Yamada
    • 雑誌名

      Journal of Physics : Conference Series 31

      ページ: 205-206

  • [雑誌論文] Neutrino-nucleus interactions and supernova modeling2006

    • 著者名/発表者名
      K.Sumiyoshi
    • 雑誌名

      Nuclear Physics 159

      ページ: 27c-32c

  • [雑誌論文] Fate of core-collapse supernovae : formation of neutron star and black hole2006

    • 著者名/発表者名
      K.Sumiyoshi, H.Suzuki, S.Yamada
    • 雑誌名

      American Institute of Physics Conference Proceedings 847

      ページ: 473-475

  • [雑誌論文] Core-collapse supernovae, neutron stars and black holes in the light of physics of unstable nuclei2006

    • 著者名/発表者名
      K.Sumiyoshi
    • 雑誌名

      American Institute of Physics Conference Proceedings 865

      ページ: 215-220

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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