研究課題/領域番号 |
18540297
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
杉本 章二郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 名誉教授 (20044753)
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研究分担者 |
小林 正明 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 名誉教授 (40013388)
玉川 洋一 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40236732)
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キーワード | GSO / 結晶成長 / 結晶シンチレーター / ダブルベータ崩壊 / 太陽ニュートリノ / 素粒子実験 |
研究概要 |
1.GSO結晶内部に混入している放射性不純物の確認 シールド内のGso結晶からの信号を読み出し、その中のトリウム系列崩壊の一部である212Bi→212Po→208Pbの連続崩壊連続崩壊事象を確認した.この崩壊の半減期を実験的に導出したところ304±20nsの値が得られ、299nsという文献値より連続崩壊を同定できた. 2.光電子増倍管からのバックグラウンド Ge半導体検出器を用いて光電子増倍管からのバックグラウンドを測定したところ、40Kの寄与が最も大きいことが判明した.この光電子増倍管を低バックグラウンド用(R6233)に交換することで88%のPMT寄与のバックグラウンドの低下が期待できることがわかった. 3.宇宙線ベトーカウンターの効果 プラスチックシンチレーターをベトーカウンターとして使用し、結晶外部に設置したところ、全体で11.5%、ダブルベータ崩壊のQ値付近で4%のバックグラウンド低減の効果が認められた. 4.両側読み出しによる読み出し光量の増加 PMTによる読み出しを両側で行うことで、読み出し光量は1.23倍向上し1%程度のエネルギー分解能の改善が認められた. 5.FADC読み出しの試み 500MHzFADCを設置し、信号読み出しを行った.また、GSO結晶からの波形による事象弁別を試みたところ、ガンマ線(ベーター線)とアルファ線による平均パルス波形において、立ち上がり時間及び減衰時間の違いを認めた.個別のパルスでの事象弁別にはさらに検討が必要である.
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