研究概要 |
稀現象反応物質として主にGSO結晶の検討を進め,バックグラウンド発生源(GSO結晶の外部由来および結晶内部に含まれる放射性不純物)の評価および抑制方法の検討を、連携研究者小林正明氏(高エネルギー加速器研究機構・名誉教授)と共に行なった。 1.宇宙線由来バックグラウンド事象のシミュレーション解析を実際の実験装置に当てはめて行ない、鉛ブロックなどの遮蔽体との反応まで含めた,外部由来バックグラウンドの予測値求めた。実験値に良い一致が見られ、バックグラウンドの理解が進んだ。 2.宇宙線由来バックグラウンドを効率的に除去するため、大型プラスティックシンチレーターを鉛遮蔽体の内外に設置して予想通りのよい結果を得た。 3.低バックグラウンドPMTをライトガイドを介して接合し,その効果を実験的に評価した。 4.昨年度判明したGSO内部での放射性不純物からの連続崩壊事象を効率的に除去するため、FADCによるGSO内部崩壊バックグラウンド事象の除去について実験的に確認を行なった。また,GSOパルス波形による入射粒子の弁別の検討も同時に進めた。 5.稀現象測定の結晶シンチレーターの開発として、GSO結晶シンチレーター以外の新しいシンチレーター(Inを含む結晶)の開発を試みて、その発光を確認した。 6.GSOを用いたダブルベータ崩壊実験におけるバックグラウンドの総合評価のために、種々の方法を適用して、長期データ収集を実施中である。 7.現在成果報告をまとめる作業を行なっている。
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