本研究構想は、従来のデータ収集システムにはなく、OS、言語、通信プロトコルに依存しない、新しいデータ収集モデルを研究し、新しいシステム構成法の確立を目指すものである。 その中で本研究は、Extensible Markup Language(XML)はWEB技術の情報記述のキーテクノロジーである。すべてのパラメータをXML仕様で記述することで汎用化をはかることができる。データベースなど情報記述の基本をXMLにし、DAQオペレーション、情報表示などをWEBでおこなうようにすることができれば、データ収集ソフトウエアの汎用化が促進される。 平成19年度は各DAQプロセスに動的に生成されるデータベースをいかに共有のデータベースとして管理・活用するかという課題に取り組んだ。プロセスに分散したデータベースを管理する方法には、集中管理と分散管理があるが、分散管理にはさまざまな方法がある。Java言語を用いたJXTAはP2P技術の1つであり注目されているが、昨年度のXMLワークフローの開発研究の中で、Webサービスによるデータおよび処理の分散管理の方法がより優れていることがわかったので、Webサービスによるデータ分散管理の方法について開発研究を行った。 具体的にはWEBサービスのフレームワークであるApacheAxisを用いWEBサービスの設計・実装を行った。WEBサービスを実装した計算機においては、サービスをモジュール化して管理する。サービス利用者であるDAQユーザはそのサービスを利用するためWEB技術でこれを利用する。例えば、DAQのログ情報のサービスを実装することで、WEBブラウザなどでこのサービスを利用するという形で、DAQのステータス情報がが利用可能となる。これにより、DAQのさまざまの分散されたデータが一元的に管理できることがわかった。
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