本研究構想は、従来のデータ収集システムにはなく、OS、言語、通信プロトコルに依存しない、新しいデータ収集モデルを研究し、新しいシステム構成法の確立を目指すものである。 本研究では、データ収集用データベースの研究開発を行った。その中で、特にデータ収集システムを構成するために必要なデータベース、コンフィギュレーション・データベースおよび分散データベースの研究開発を行った。データ収集プロセスのそれぞれの役割に沿って決められるパラメータが数多く必要とされる。例えば、パイプラインCAMACコントローラ(商品名、CC/NET)の例で言うと、必要なCAMAC命令などをデータベース化しておくと実験毎にプログラムを変更することなくデータベースの変更で済んでしまうというメリットがある。このコンフィグレーションパラメータを記述するためXMLを用いる。XMLはWEB技術の情報記述のキーテクノロジーである。すべてのパラメータをXML仕様で記述することで汎用化をはかった。それはまた、WEBへの表示、WEBからの入力などを容易に行うことが出来、WEBとの親和性が高まった。 また、各DAQプロセスに動的に生成されるデータベースをいかに共有のデータベースとして管理・活用するかという課題に取り組んだ。WEBサービスのフレームワークであるApacheサーバを用いて、例えば、DAQのログ情報のサービスを実装することで、WEBブラウザなどでこのサービスを利用するという形で、DAQのステータス情報が利用可能となった。これにより、DAQのさまざまの分散されたデータが一元的に管理できることがわかった。
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