研究課題/領域番号 |
18540304
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
小林 幸則 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (40225553)
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研究分担者 |
原田 健太郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (70353365)
宮島 司 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (50391769)
長橋 進也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 技師補 (50450367)
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キーワード | パルス六極磁石 / 蓄積リング / キッカー電磁石 |
研究概要 |
本研究は、放射光用光源リングなどの蓄積リングにおいて、Top-Up運転に有効であると期待されるパルス六極電磁石を用いた新しい独創的な入射方式を検証するための開発研究である。新入射方式の検証は、実際に運転されている高エネルギー加速器研究機構放射光実験施設の2.5GeVリング(PFリング)で行う予定である。この新入射方式の長所は、従来のパルス偏向電磁石を数台用いる入射方式に比べ、入射時に局所バンプを必要としないことから蓄積ビームの振動を小さくすることができるという点と、1台の電磁石で入射が可能になるという点である。 本年度は研究開発の初年度として、以下のことを行なった。まず、PFリングの入射点付近に1台のパルス六極電磁石を設置する場合に必要な磁場強度および場所の最適化を6次元粒子トラッキング法によるシミュレーションで求めた。次に、シミュレーションで得られた磁場強度をもとに、リングの物理的なアパーチャを考慮しながら電磁石の鉄心形状を決めた。さらにPFリングの既設のコンポーネントとの整合性を取りながら、設置場所および電磁石長を決めて電磁石の製作に取り掛かった。同時に、パルス電磁石設置に必要なセラミックチャンバーの設計および励磁電源に検討も行なった。セラミックチャンバーにっいては、セラミック本体および既存部との形状変換部が製作された。実際に設置する場合は、既設のコンポーネントの移動なども必要で、それらの再配置なども検討されている。励磁電源に関しては、既設電源の再利用で当面は対処することにしているが、実際に必要な励磁電流を得るには既設電源の電圧不足が避けられないため、新規電源製作を視野に入れた検討も開始した。 また、すでにTop-Up運転をしているSwiss Light Source (SLS)等にTop-Up運転時の問題点等を調査に行き、運転上の課題および対策に対する知見を得ることができ、パルス六極電磁石による新入射方式についての議論も行なった。
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