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2007 年度 実績報告書

重水素置換NMRによる電荷ダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540306
研究機関北海道大学

研究代表者

河本 充司  北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (60251691)

キーワード誘電物性 / TTF=TCNQ / NMR / 重水素
研究概要

通常、電荷のダイナミクスを磁気共鳴で研究する場合、^<14>Nやハロゲン原子を用いNQRを測定することを考えるが、溶液の場合、NQRは測定不可能である。本申請の特色は、選択的同位体置換により特定のサイトの^lHを^2Dに置換し^2D-NMRを用いることにある。^2Dは、I>1/2の核の中で例外的に四重極相互作用が小さく磁場中で信号が検出される周波数はほぼ磁気回転比で決まる。また磁気回転比もそれほど小さくないので検出も容易である。このことは、またフーリエ変換NMRでスペクトルを測定できるという利点を示している。問題は、上記に述べた欠点の(3)で『緩和は、磁気双極子の運動によるものか電荷の運動によるものか区別することが実験的に難しい』ことであるが、lH-NMRでは、緩和は、磁気双極子の運動によるもののみが検出されることに着目すれば1H-NMRにより磁気緩和を検出し、そのサイトを^2D置換することにより磁気緩和+電気四重極緩和を検出する。その違いを調べることにより電気四重極緩和のみを評価するというのが、我々の考えているアイデアである。例えばTetrathiafuluvaleneという分子のHをDに置換し、H,D-NMRを測定し、その緩和時間の違いを調べることにより共役π電子系の電荷のダイナミクスを評価することが可能となる。
昨年度、実現できなかった重水素試料の合成に成功し、単結晶測定のための大型単結晶試料の作成にも成功した。数mgの試料であることより、信頼性のある測定ができるものと期待される。
また^2D-NMR用にNMRのジャンクションの部分を改良を行いその性能検査を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Pressure dependence of the phase separation in deuterated κ-(BEDT-TTF)_2Cu[N(CN)_2]Br at the Mott boundary2007

    • 著者名/発表者名
      S. Kimura, T. Nishi, T. Takahashi, T. Mizuno, K. Miyagawa, H. Taniguchi, A. Kawamoto, K. Kanoda,
    • 雑誌名

      Journal of Magnetism and Magnetic Materials 310

      ページ: 1102-1104

    • 査読あり
  • [学会発表] 13C-NMR Studies on β'-(BEDT-TTF)_2ICl_2 under Pressure2007

    • 著者名/発表者名
      A. Kawamoto
    • 学会等名
      ISCOM2007
    • 発表場所
      ペニスコラ(スペイン)
    • 年月日
      20070924-29
  • [学会発表] Charge disproportiontion of organic conductorα-(BEDT-TTF)_2RbHg(SCN)_42007

    • 著者名/発表者名
      T. Kawai
    • 学会等名
      ISCOM2007
    • 発表場所
      ペニスコラ(スペイン)
    • 年月日
      20070924-29
  • [学会発表] Single crystal 13C-NMR study of β'-(BEDT-TTF)(TCNQ)2007

    • 著者名/発表者名
      Y. Eto
    • 学会等名
      ISCOM2007
    • 発表場所
      ペニスコラ(スペイン)
    • 年月日
      20070924-29

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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