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2006 年度 実績報告書

ポジトロニウムを用いたガラス構内のナノボイドおよび中距離構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18540307
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

井上 耕治  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50344718)

研究分担者 永井 康介  東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (10302209)
畠山 賢彦  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30375109)
キーワードポジトロニウム / ガラス / ナノボイド / 第一原理計算
研究概要

従来のガラス構造の研究は、X線や中性子回折、EXAFSなどによる短距離構造(原子間距離や配位数など)に関するものが大部分である。しかしながら、基本構造単位(例えば、SiO_2ガラスではSiO_4)が連結して構成する中距離構造については、上記の実験方法やラマン散乱などの実験研究も行われているものの、十分な解明がなされているとは言い難い。本研究では、中距離構造およびその揺らぎによるナノボイドに注目し、その解析方法として、ナノボイドに局在するポジトロニウム(Ps:陽電子と電子の水素状束縛状態)を用いる方法を新たに開発しようとする。Psは中性の軽粒子であり、ガラス中ではナノボイドを自ら探し出し(自己探索)、そこに局在し、そこの空間的拡がり、ナノボイド周囲化学元素の情報を選択的に伝えてくれるという特徴を持つ。そこで、ナノボイド中に形成したPsの運動量分布、寿命などの陽電子消滅特性と対応する第一原理計算の詳細な比較検討により、ナノボイドの寸法、ナノボイドをもたらすような中距離構造の詳細を明らかにする。
我々は、先ずSiO_2結晶(水晶)中のPsについて、非局在(Bloch)状態にあるPsの運動量分布(2次元角相関)の実験と理論についての比較を行い、驚くべき一致を見るに至った(Phy.Rev.Lett. 投稿中)。さらにこの手法を発展させてガラス中のPs(水晶とは異なりナノボイドに局在)について、構造およびPs状態について実験および第一原理計算研究を行っている。具体的には、数1000個程度の原子からなるスーパーセル・ガラス構造を計算機上に構築し、Order-N法や平面波法第一原理計算によって、ガラス構造の最適化、揺らぎ構造を調べる。次いでナノボイド中のPsの運動量分布、陽電子寿命の実験と計算の詳細な比較・検討を行っている。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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