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2007 年度 実績報告書

二重励起法によるカーボンナノチューブの研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540318
研究機関大阪大学

研究代表者

井上 恒一  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50159977)

キーワードカーボンナノチューブ / ラマン散乱 / 電子状態
研究概要

単層カーボンナノチューブは構造が一次元的であり、一次元性を反映して、鋭いスパイク状の電子状態密度を持ち、バンド間の光遷移は鋭い共鳴を示す。共鳴エネルギーはカイラリティに応じて異なるので、単色のレーザー光を照射すると特定のカイラリティを持ったものだけを励起することができる。このバンド間遷移の鋭い共鳴に付随して、共鳴ラマン散乱が観測される。共鳴準位とフォノンのエネルギーとを対比することにより、共鳴しているカーボンナノチューブのカイラリティをある程度決定することができる。本研究では2つのレーザー光を用いて、共鳴ラマン散乱を変調し、それにより特定のカイラリティをもつカーボンナノチューブの電子状態を、不純物・欠陥状態を含めて、明らかにすることを目指す。
本年度、石英またはシリコン基板上に成長したカーボンナノチューブに室温空気中で2つのレーザー光を照射し、片方のレーザー光の波長を変えながら、もう片方のレーザー光による共鳴ラマン散乱測定を行った。その結果、近赤外領域のOPOレーザー光をパルス照射すると、特に半導体性のカーボンナノチューブが減少し、金属性のものが残ることを見いだした。近赤外レーザー光の強度が大きいため、共鳴しているカーボンナノチューブが損傷を受けていると考えられる。強度依存性、波長依存性、時間変化を調べ、新しい知見を得た。本研究成果は、温度依存性や照射雰囲気などいろいろなパラメータを変えて現象を見る研究へも発展が可能であり、それにより、カーボンナノチューブのカイラリティ制御への重要な足がかりとなるものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Electronic states of single-walled carbon nanotubes with substitutional impurities2007

    • 著者名/発表者名
      K. Inoue, Y. Ohno, K. Maehashi, and K. Matsumoto
    • 雑誌名

      Physics of Semiconductors, 28th International Conference edited by W. Jantsch and F. Schaffler: AIP CP893

      ページ: 1031-1032

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Growth of Suspended Single-Walled Carbon Nanotubes by Laser-Irradiated Chemical Vapor Deposition.2007

    • 著者名/発表者名
      Y. Asai, Y. Fujiwara, Y. Ohno, K. Maehashi, K. Inoue and K. Matsumoto
    • 雑誌名

      J. Physics: Conf. Series 61

      ページ: 46-50

    • 査読あり
  • [学会発表] カーボンナノチューブへの赤外レーザ光照射効果2008

    • 著者名/発表者名
      辻 智輝, 井上恒一, 大野恭秀, 前橋兼三, 松本和彦
    • 学会等名
      第55回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      日本大学理工学部
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] ナノ粒子リソグラフィーによる規則的配列された触媒金属粒子の作製2007

    • 著者名/発表者名
      岩崎 晋, 大野恭秀, 前橋兼三, 井上恒一, 松本和彦
    • 学会等名
      第68回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      北海道工業大学
    • 年月日
      2007-09-06

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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