研究課題/領域番号 |
18540342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
浅井 吉蔵 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00109795)
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研究分担者 |
阿部 浩二 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (20183139)
小林 義彦 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (60293122)
佐藤 桂輔 株式会社富士通研究所, 基盤技術研究所, 研究員 (10418212)
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キーワード | マルチフェロイック / 強磁性強誘電体 / 電気磁気効果 / 複合ペロブスカイト |
研究概要 |
複合ペロブスカイト酸化物(RE_<1-x>Bi_x)Mn^<1+>_<0.5>M^<2+>_<0.5>O_3(RE=希土類元素;M=Ni)の多結晶を作製し、X線による構造解析、磁性・誘電特性、電気磁気効果の測定を行なった。 常圧下でゾル・ゲル法により、0≦x≦0.9の組成でペロブスカイト相を得た。全ての試料は強磁性を示し、そのCurie温度T_<CM>はx=0の300Kを最大にBi濃度xの増加に伴って単調に減少し、x=0.9では150Kとなった。解析の結果、磁性はBサイトのNi^<2+>とMn^<4+>が担い、その間の強磁性超交換相互作用がAサイトのBi^<3+>置換の影響を受ける事がわかった。100kHzから1MHzの周波数で測定した誘電率はxの増加に伴い顕著に増大した。x=0.5,0.7,0.9の試料ではT_<CM>以上の温度領域で誘電率の周波数分散が見られ、かつT_<CM>付近で誘電損失の極大が観測された。 上記の結果は、磁性と誘電特性が結合していることを示唆しているが、両者の関係をより明確にするために、これらの試料で磁場中の誘電率測定を行った。その結果、1.磁場の印加により誘電率の実部が増大すること、2.その増大は磁場と電場の相対方向には依存しないこと、3.磁場による誘電率の変化はそれぞれの試料のT_<CM>付近で極大を示すこと、が明らかになった。特にx=0.7の試料では9Tの磁場中の誘電率変化の最大は10%におよぶ。この大きな電気磁気効果の機構については考察中である。
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