研究課題
本研究の目的は磁化プラトー現象を示す事が期待される新しい量子スピン系物質を探索・合成し、実際に磁化プラトー現象を観測してその磁性を研究することである。Cu^<2+>イオンがダイヤモンド鎖を形成しているCu_3(MoO_4)_2(OH)_2およびCu_3(MoO_4)_2(OH)_2-(4,4'-bipyridine)の磁化、磁化率を詳細に測定した。明確な磁化プラトーは見られなかったものの一次元フェリモデルで説明できた。我々が最初にダイヤモンド鎖磁性体であることを示したCu_3(CO_3)_2(OH)_2(アズライト)のCu-NMR測定を単結晶を用いて行った。その結果、モノマー、ダイマー各状態にある銅イオンスピンの微視的な配置構造を明らかにし、磁化等の巨視的測定に基づく、プラトー状態に関する我々の主張をほぼ支持する結果を得た。しかし実験結果を説明するためには単純なダイヤモンド鎖モデルでは不十分であることが分かり、アズライトの磁性を理解するためには更なる研究が必要である。新規化合物として、磁気異方性が大きいスピンダイマー化合物M(SeO_3)・2H_2O(M=Co, Ni)の強磁場磁化、磁化率、NMR測定を行い、多段のステップからなる磁化曲線を観測した。
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Journal of Physics : Conference Series 145
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