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2006 年度 実績報告書

フェムト秒多電子ダイナミクスの第一原理シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 18540366
研究種目

基盤研究(C)

研究機関筑波大学

研究代表者

矢花 一浩  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70192789)

研究分担者 中務 孝  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (40333786)
乙部 智仁  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究員 (60421442)
橋本 幸男  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (50189510)
キーワードフェムト秒レーザー / 時間依存密度汎関数法 / 実時間・実空間計算 / 電子ダイナミクス / コヒーレントフォノン
研究概要

フェムト秒スケールて起こる電子及びイオンの運動を記述する第一原理的な計算機シミュレーションによる研究を進めた。電子タイナミクスに関しては、時間依存密度汎関数理論に立脚し、時間依存コーン・シャム方程式を、実時間・実空間で解く手法を発展させた。さらに、エーレンフェストの定理から導かれるイオンに対して働く力を計算するコートを開発した。フェムト秒スケールのタイナミクスに関する情報源に、超短パルスレーザーと物質の相互作用を利用したアプローチがある。時間スケールや電場強度のスケールが、物質内での電子運動に対するものと同程度となる領域で、さまざまな非線形現象が起こることが知られている。これらの現象は、我々のアプローチの有効性を検証する絶好の機会である。
分子と強いパルスレーザーの相互作用に関しては、イオン化に伴うクーロン爆発過程の解析を行った。実験的には非常に短いパルスでは瞬間的にクーロン爆発が起こり、長いパルスの場合にはパルスの持続中に分子の結合距離が伸びるというデータか知られている。我々の計算からは、非常に短いパルスの場合でも、クーロン爆発が起こるまで一定の時間が必要であることが見出された。この理由については、現在解析を進めている。
固体と強いパルスレーザーの相互作用に関しては、ある特定の強度のパルスレーザーの場合に、パルス終了後も持続する電子振動が現れることを見出した。これは誘電体の絶縁破壊現象と関係したプラズマ振動励起であると考えている。一方、弱いパルスレーザーを照射した場合の、電子に加えてイオンに働く力の計算を調べている。そして、テスト計算の対象であるダイヤモンドの場合に、イオンに対して電場の2次に比例した力が生じることを確認した。このような力は、結晶中にコヒーレントなイオン運動(コヒーレントフォノン)をもたらすものであると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Photoinduced electric currents in ring-shaped molecules by circularly polarized pulses2007

    • 著者名/発表者名
      K.Nobusada, K.Yabana
    • 雑誌名

      Physical Review A 75

      ページ: 032518

  • [雑誌論文] Configuration mixing calculation for complete low-lying spectra with a mean-field Hamiltonian2006

    • 著者名/発表者名
      S.Shinohara, H.Ohta, T.Nakatsukasa, K.Yabana
    • 雑誌名

      Physical Review C 74

      ページ: 054315

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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