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2008 年度 実績報告書

多成分ボース・アインシュタイン凝縮体の厳密解析とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 18540368
研究機関東京理科大学

研究代表者

和達 三樹  東京理科大学, 理学部, 教授 (60015831)

キーワードボース・アインシュタイン凝縮 / 多成分非線形シュレディガー方程式 / 電磁誘導透過現象(EIT) / ベーテ仮説 / BCS-BESクロスオーバー / 多成分子量子可積分系 / 逆散乱法 / パリティー時間(PT)対称ポテンシャル
研究概要

1.非線形光学における自己透過(SIT)現象は1960年代に活発に研究され、ソリトン物理の確立に大きな役割を果たした。その拡張として、近年、電磁誘導透過(EIT)現象が多くの興味を集めている。2つのレーザー光とラムダ配置の3準位原子系の相互作用を調べ、可積分条件を見出すことに成功した。ソリトン解を構成し、伝播の性質を詳細に解析した。現在、多ソリトン解を求め、衝突の振る舞いを調べている。多成分ソリトン系として、高次スピンF=1, F=2を持つボース・アインシュタイン系と密接な関係があり、さらに多くの興味深い成果が期待できる。
2.デルタ関数相互作用を持つ1次元スピン1/2フェルミ粒子系の基底状態をYang-Yangの積分方程式を使って解析した。解法は、和達(2002年)が導入した方法を拡張した。引力相互作用系において外場磁場を含めた点は、特に野心的である。相互作用が強い場合と弱い場合をともに解くことができた。また、相互作用定数と磁場の関数として、磁化を求めた。完全に対形成した非分極相、対形成のない完全分極相、それらの共存相、の3つの相が存在し、それらの相間には量子転移があることを証明した。
3.量子力学系を研究する時、エネルギーが実数値であるためには、エネルギー演算子はエルミート(自己共役)でなければならないと思われている。論文M. Wadati: Construction of Parity-Time Symmetric Potential through the Soliton Theory, J. Phys. Soc. Jpn,77,074005-1〜4(2008)において、ソリトン理論を用いれば、その反例が統一的に導かれることを示した。この成果は、Editor' s Choiceとして表彰され、科学新聞や物理学会誌に紹介された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] One-dimensional Delta-Function Attractive Fermi Gas in an External Magnetic Field2009

    • 著者名/発表者名
      M. Wadati, T. Iida
    • 雑誌名

      Laser Physics 19

      ページ: 664-672

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Electromagnetically Induced Transparency and Soliton Propag ations2008

    • 著者名/発表者名
      M. Wadati
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan 77

      ページ: 024003-1-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Exact Analysis of a Delta-Function Spin-1/2Attractive Fermi Gas with an External Magnetic Field2008

    • 著者名/発表者名
      T. lida, M. Wadati
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan 77

      ページ: 024006-1-8

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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