本年度は次近接相互作用のある古典1次元イジングモデル(1D NNNNI)で有限温度での整合-非整合(C-IC)遷移を扱った。これまで、我々は1次元量子系の温度0(古典系では2次元有限温度の系に対応)でのC-IC遷移を扱ってきたが、1D NNNNIモデルを扱うことで、次元が異なる場合にC-IC遷移の理論を拡張することができた。T特にID NNNNIモデルでは相関関数が転送行列で厳密にもとまる。その結果、今まで有効理論として用いられてきたRPAでは説明できない項があることを示した。 構造因子の複素平面での極の融合一分裂として-IC遷移が説明できるが、非対称行列のジョルダン標準形からの摂動でもC-IC遷移が説明できることを示した。 この成果は、高次元のANNN Iモデルの考察や、1次元量子スピン系で磁場中で有限温度で朝永ラッティンジャー流体的な領域から常磁性的な領域へのクロスオーバーなどへの理解にも寄与する。
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