次近接相互作用のある古典1次元イジングモデル(1D NNNI)で有限温度の整合非整合(C-IC)遷移を扱い、C-IC遷移の理論を拡張した。構造因子の複素平面での極の融合一分裂として-IC遷移が説明できるが、非対称実行列のジョルダン標準形からの摂動でもC-IC遷移が説明できることを示した。この成果は、高次元のANNNIモデルや、1次元量子スピン系で磁場中で有限温度で朝永ラッティンジャー流体的領域から常磁性的領域へのクロスオーバーなどの理解にも寄与する。 また、大塚氏(首都大学東京)との共同研究で、3体相互作用のある2次元3角格子上の6状態クロックモデルの相転移を扱った.このモデルでは低温の秩序相と高温の無秩序相の間に、準長距離秩序を持つ中間相(c=2CFT)がある。この中間相に関して、対称性を考慮して有効理論(ベクトルサインゴルドンモデル)を構築し、解析的に繰り込み群の計算を行い、数値計算で求めた転送行列の固有値と比較した.
|