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2006 年度 実績報告書

超対称な非可換幾何学と量子物理学

研究課題

研究課題/領域番号 18540380
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪府立大学

研究代表者

會澤 成彦  大阪府立大学, 理学系研究科, 助教授 (70264786)

キーワード非可換幾何 / 量子群の表現 / ファジィ多様体
研究概要

本研究は、素粒子論や数学で盛んに議論されている超対称性と非可換幾何学を応用可能な形で融合することを目的としている。そのためには、多くの超対称な非可換空間とその幾何学の具体例を明らかにすることが大切になる。本年度は非可換空間の具体例に関してふたつの研究を行い、いずれも論文を準備中である。
ひとつは量子群OSP_q(1/2)に対応する超対称非可換空間に関することである。一般に、量子群は変数qが1のべき根に値をとらない場合でも、対応する古典群(q=1の場合)より多くの表現を持つことが知られている。このことはOSp_q(1/2)にもあてはまる。古典OSp(1/2)の有限次元表現は奇数次元のみであるが、量子群OSp_q(1/2)は偶数次元の表現も持つ。我々は偶数次元の表現は、little Q-Jacobi多項式と呼ばれる直交多項式とQ=-qという関係で結びついていることを明らかにした。我々が以前に開発した方法を用いて、偶数次元表現の作用のもとで共変となるような超対称非可換空間を構成した。また、OSP_q(1/2)の表現に関連するその他の量(たとえば、Clebsch-Gordan係数など)も既存の直交多項式とQ=-qという係で結びついていることを示すこともできた。
もうひとつは、非可換空間のひとつの例として多く研究されているファジィ多様体についてである。非可換な座標は閉じた代数であることに注目し、その有限次元表現を用いて非可換性を表現しようという試みである。ファジィな多様体の例としては球面や射影空間が多く議論されているが、2006年に任意のコンパクトリーマン面をファジィ多様体にする方法を提唱した論文が発表され、その中でファイジィなトーラスが具体的に作られている。我々は、ファジィトーラスはパラフェルミオン(を変形したもの)とみなすことができることを示し、それを用いてファジィトーラスの表現をすべて調べあげ、有限次元表現は一意的であることを示し、無限次元表現も可能であることを示した。また、その論文で提唱されている方法はトーラスの場合はうまくいくが、それより種数の高いリーマン面では矛盾が生じることも示した。ファジィトーラスの超対称版を議論したがこれに関しては十分な結果が得られなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Universal T-marix, representations of OSp_q(1/2) and little Q-Jacobi polynomials2006

    • 著者名/発表者名
      N.Aizawa, R.Chakrabarti, S.S.Naina Mohammed, J.Segar
    • 雑誌名

      Journal of Mathematical Physics 47

      ページ: 123511

  • [雑誌論文] All link invariants for two dimensional solutions of Yang-Baxter equation and dressings2006

    • 著者名/発表者名
      N.Aizawa, M.Harada, M.Kawaguchi, E.Otsuki
    • 雑誌名

      Journal of Knot Theory and Its Ramifications 15

      ページ: 1279-1301

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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