研究課題
1,もっとも理想化した摩擦系である清浄表面上の吸着膜および原子クラスターの運動と摩擦を数値計算により調べた。そして、吸着膜の系では閾値以上の外力下で、系はより動きやすい構造である不整合構造に自発的に変化することを初めて示した。クラスターにおいては動摩擦力を減じるため、ある閾値以上の外力下では基盤に対して回転し不整合構造を作ることを示した。外力下にある系はより動きやすい状態を自発的に選択するのは一般的傾向と考えられる。2,摩擦を減じるために滑り面の間に液体潤滑剤を導入することは広く行われているが、機械要素が高精度化、微小化するにつれ面間の潤滑剤層は薄くなり、数分子層の厚さではバルクの融点より高温でも潤滑剤が固化することが実験的、数値計算的に明らかになっている。しかし、その計算では潤滑剤分子をあるいはそれを構成する原子を要素とするため、大規模な計算が必要であり、また広いパラメーター領域で新たな物理を調べることが難しかった。我々は潤滑剤の密度の揺らぎを位相場を持ちいて表すモデルを導入し、これによりこの系の振る舞いに渦が大きな役割を果たしていることを明らかにした。3,地震は断層における2つのプレートのスリップ運動であり、摩擦現象の一種である。地震のモデルとして、バネで結ばれた多数のブロックからなるモデルがよく使われるが、これまでその配置、運動の自由度を1次元としたものが多く調べられてきた。我々は両者の次元生を2次元としてモデルを調べ、次元性が系の振る舞いに及ぼす効果を明らかにした。
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Proc. of International Conference on Science of Friction, 9-13 Sep.2007, Irago, Aichi, J.of Physics: Conference series 89(012016)
ページ: 1-7
Proc. of International Conference on Science of Friction, 9-13 Sep. 2007, Irago, Aichi, J. of Physics: Conference series 89(012014)
ページ: 1-10
Europhysics Letters 80(17002)
ページ: 1-5