研究課題/領域番号 |
18540390
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
北島 昌史 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20291065)
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研究分担者 |
星野 正光 上智大学, 理工学部, 助教 (40392112)
小田切 丈 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (80282820)
伊藤 健二 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (60151502)
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キーワード | 超低エネルギー電子衝突 / 放射光 / しきい光電子分光 / 電子散乱 / Cold Collision |
研究概要 |
本研究はCold Collisionと呼ばれるミリeV領域での超低エネルギー電子衝突における電子分光法の基礎を確立することを目的とする。従来型の実験手法では全く不可能であった超低エネルギーの電子ビーム生成技術と超低エネルギー電子のエネルギー分析システムの開発が主要な課題であり、本研究では放射光を利用することで技術的困難さを克服する。 平成19年度では、超低エネルギー電子ビームの生成装置を用いて、実際に超低エネルギー電子衝突実験をKEK-PFで行った。前年度に製作した装置に、電子エネルギー制御用の電子レンズシステムおよび衝突セルを取りつけ、透過減衰法による電子衝突全断面積測定を試行した。過去に全断面積の測定例があるXeを標的とした実験により、製作・開発した装置の特性を把握するとともに、エネルギー分解能等の評価方法を確立することにも成功した。さらに、これまで実験的に直接観測することが出来なかった、Xeの電子衝突全断面積に現れるFeshbach共鳴による構造を測定することに成功し、その絶対値を求めることに成功した。 これらのことから、本研究により、新しい実験手法に基づいたCold Collision電子分光法の基礎的な基盤技術の開発することが出来た。
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