研究課題/領域番号 |
18540392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
熊倉 光孝 福井大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30324601)
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研究分担者 |
森田 紀夫 福井大学, 大学院工学研究科, 教授 (30134654)
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キーワード | レーザー冷却 / 光双極子力トラップ / 暗状態 / 磁気光学トラップ / 光格子 / 希薄原子気体 / 蒸発冷却 / ドレスド状態 |
研究概要 |
今年度は^<87>Rb原子を光トラップするのに必要な低温Rb原子源である、磁気光学トラップシステムの製作を行った。Rb原子のレーザー冷却には、冷却遷移である基底状態の超微細構造準位^2S_<1/2> (F=2)状態から励起準位^2P_<3/2>(F=3)状態への波長780nmの閉じた光学遷移に近共鳴するレーザー光と、冷却レーザー光による光ポンピングを補償するための^2S_<1/2>(F=2)→^2P_<3/2>(F=3)遷移(波長780nm)に共鳴する波長の異なる2つのレーザー光が必要である。そこで、それぞれの光学遷移に近共鳴する2台の連続発振単一モードレーザーを製作し、飽和吸収分光と周波数変調法を利用して、共に遷移の周波数幅(約6MHz)より十分小さい1MHz程度にまで光周波数の安定化を行い、レーザー冷却に必要なレーザーシステムの開発を完了した。また、常温の大気から遮断された真空中で原子の冷却・トラップを行うため、超高真空装置の製作も行った。この真空装置は、常温のRb蒸気が10^<-7>Torr程度の蒸気圧で存在しRb原子源として機能する真空領域と、長時間にわたり原子を光トラップするための超高真空(真空度10^<-11>Torr台)の領域を差動排気を利用して接続した構造で、Rb原子源領域を10^<-6>Torr台の高いRb蒸気圧に設定した場合でも10^<11>Torr台の超高真空を保つことができた。今回製作したこれらの実験装置を用いて、Rb原子源となる低真空領域での磁気光学トラップも確認した。トラップ原子集団の特性を吸収イメージング法で測定したところ、2秒程度のローディング時間で約6×10^8個の原子を1.8mKの温度で捕捉できており、超高真空領域におけるトラップへ低温Rb原子を移行するのに十分な原子数をレーザー冷却できることが確認できた。
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