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2006 年度 実績報告書

ナノサイズ粒子中の脂質結晶化に及ぼす超音波とせん断応力の効果

研究課題

研究課題/領域番号 18540406
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

上野 聡  広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 助教授 (50243605)

研究分担者 佐藤 清隆  広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授 (80034479)
キーワードナノサイズ粒子 / O / Wエマルション / 結晶化 / 放射光 / 時分割測定 / X線回折法 / 超音波刺激 / 油脂
研究概要

本年度は、マイクロメートルサイズのO/Wエマルション中の油滴結晶化に及ぼす超音波効果について調べた。二種類のトリアシルグリセロールを油相とした試料について測定を行った。
まず、熱測定により、超音波印加の前後で、O/Wエマルション中の油滴結晶化温度を調べ、X線回折法により油脂結晶の多形を調べた(以上、広島大学現有施設にて測定)。次に、放射光施設(高エネルギー加速器研究機構)にて時分割X線回折法による超音波印加時の油脂結晶化のその場観察を行った。この際、本研究課題で購入した、ハイスピードカメラにより、超音波印加時の様子を撮影し、X線回折法と目視観察の同時測定を行った。また、イギリスの放射光施設においても、同様の測定を行った(イギリスでの測定では、超音波の出力が可変なので、超音波の出力を変えた際の、油滴の結晶化挙動の相違を調べた)。その結果、下記の結果を得た。
(1)超音波の印加により、O/Wエマルション中の油滴結晶化温度は、印加しない場合に比べて上昇した。すなわち、結晶化は促進された。ただし、バルク系に比べると、結晶化温度の上昇の程度は小さく、したがって、結晶化までの待ち時間にも超音波印加の有無で大きな差は見出されなかった。
(2)超音波の印加の有無により、結晶多形の変化に影響が見られなかった。
(3)超音波の出力を50W,20W,5Wに可変したところ、出力が5Wの場合には結晶化の促進は見られず、超音波を印加しない場合と変わらなかった。
以上の結果から、O/Wエマルション中の油滴結晶化に及ぼす超音波効果について、バルク系に比べて、超音波の影響が小さい理由は、エマルションの油水界面(界面活性剤の膜)が超音波による刺激(縦波による油相の密度ゆらぎ)を緩和するめではないかと考えられる。今後は、ナノサイズO/Wエマルションについて研究を深めたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Retardation of crystallization-induced destabilization of PMF-in water emulsion with emulsifier additives2007

    • 著者名/発表者名
      S.Arima
    • 雑誌名

      Colloids and Surfaces B 55

      ページ: 98-106

  • [雑誌論文] Binary phase behavior of 1,3-dipalmitoil-2-oleoil-sn-glycerol and 1,2-dioleoil-3-palmitoyl-rac-glycerol2007

    • 著者名/発表者名
      L.Zhang
    • 雑誌名

      Journal of the American Oil Chemists' Society 84

      ページ: 219-227

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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