研究課題/領域番号 |
18540407
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉森 明 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (90260588)
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研究分担者 |
小田垣 孝 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90214147)
墨 智成 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40345955)
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キーワード | 化学物理 / 統計力学 / 固液共存 / 密度汎関数理論 / 電荷剛体球 / イオン液 / ガラス / 自由エネルギーランドスケープ |
研究概要 |
1.荷電剛体球系の融点の計算 剛体球にeと-eの電荷を持った2種混合系の融点を密度汎関数法により計算した。正負のイオンは大きさを同じにしておいて、圧力一定の条件で大きさを変え、融点がどう変わるかを調べた。密度汎関数法に使った自由エネルギー汎関数は、Ramakrishnan-yussoffによるもので、直接相関関数は、MSAを使った。圧力の計算は、ビリアル定理による方程式を使って計算した。結果は、体積一定で計算したBramiらやRick and Haymetの結果とほとんど変わらず、直径を8倍すると、1/3に融点が下がる。結晶構造はCsClで行った。 ここまでの結果では、剛体球では単純に大きさを大きくするだけで、融点が室温まで下がる事が分かった。違う圧力や汎関数、直接相関関数等別のモデルを使うと結果が変わる可能性もあるが、いずれにしろ、分子性液体へ理論を拡張する必要が有る。 2.剛体球ガラスにおける自由エネルギーランドスケープと協調的再配向領域 密度汎関数法を使って、3次元剛体球ガラスの自由エネルギーランドスケープ(FEL)を計算した。FELから協調的再配向領域(CRR)にある粒子の数を見積もった。CRRの粒子の数の密度依存性を求め、それを密度のべキの形で表した。CRRの緩和過程から、さらに、計算機シミュレーションで見られているstring motionが、構造緩和の素過程になっている事を見いだした。
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