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2007 年度 実績報告書

ピッカリング・エマルションの制御理論

研究課題

研究課題/領域番号 18540410
研究機関首都大学東京

研究代表者

好村 滋行  首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90234715)

キーワードピッカリング・エマルション / コロイド / 吸着 / 曲率弾性定数 / 自発曲率 / ソフトマター
研究概要

二種類の液体を混合すると、一方の液体が他方の液体に分散したエマルションが生成する。しかし、通常のエマルションは熱力学的に不安定であるため、時間の経過とともに自発的にドロップレットが合一し、やがて巨視的に分離してしまう。しかし、二種の液体間の界面に粉体粒子やコロイド粒子が吸着すると、エマルションが長時間にわたって安定化される場合がある。このようなエマルションのことをピッカリング・エマルションと呼ぶ。本研究の目的は、ピッカリング・エマルションの構造、相挙動、ダイナミクスを理論的に解明することである。
本年度は球面の半分が親水的で、残りの半分が疎水的であるヤヌス粒子に対して、球状粒子の液液界面への吸着について検討した。そこでは特に界面の曲率効果について調べた。界面が曲率をもつ場合、体積エネルギーを考慮することが重要である。ヤヌス粒子の場合には、液液界面が粒子表面の塗り分けの位置と一致する「アンカーリング」の状態がある条件で実現する。この場合には、粒子の吸着位置はヤングの式を満たさず、界面の曲率に依存することがわかった。さらに、均一な粒子とは異なり、平坦な界面が安定であることを示した。これらの結果を用いて、ヤヌス粒子が吸着した界面の曲率弾性定数と自発曲率を解析的に計算した。
本年度はさらに、ピッカリング・エマルションにおける粒子の吸着ダイナミクスについての検討を行った。ワード・トルダイの式と界面での粒子濃度の時間発展方程式を連立させることにより、界面濃度や表面張力の時間依存性を求めた。その結果、粒子の吸着は拡散律束であることがわかった。これは、実験結果と良く一致している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Surface-Activity of Solid Particles with Extremely Rough Surfaces2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Nonomura and S. Komura
    • 雑誌名

      J. Colloid Int. Sci. 317

      ページ: 501-506

  • [雑誌論文] Adsorption of Janus Particles to Curved Interfaces2007

    • 著者名/発表者名
      Y. Hirose, S. Komura and Y. Nonomura
    • 雑誌名

      J. Chem. Phys. 127

      ページ: 054707

  • [雑誌論文] Mesoscale Structures in Microemulsions2007

    • 著者名/発表者名
      S. Komura
    • 雑誌名

      J. Phys: Condens. Matter 19

      ページ: 463101-1-463101-30

    • 査読あり
  • [学会発表] Pickeringエマルションにおける粒子の吸着ダイナミクス2007

    • 著者名/発表者名
      廣瀬雄一, 好村滋行, 加藤直
    • 学会等名
      コロイドおよび界面化学討論会
    • 発表場所
      信州大学理学部
    • 年月日
      2007-09-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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