研究概要 |
皮膚角層の構造を分子レベルで解明するために,皮膚角層中の細胞間脂質とソフトケラチンの構造を小角・広角X線回折実験により研究した.研究成果は主として2つからなる.1つは小角領域で観測される細胞間脂質が作る2つのラメラ構造(長周期ラメラ構造と短周期ラメラ構造)と広角領域で観測される2つの炭化水素鎖の充てん構造(六方晶と斜方晶)の間の関係を明らかにした.また1つは皮膚角層に化学物質(化粧料や経皮吸収型製剤)を作用したときの細胞間脂質およびソフトケラチンの構造変化を高感度で観測する方法を開発した.この研究に基づき,化粧料や経皮吸収型製剤の皮膚への効果の分子レベルでの開発研究を行うことができる.
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