平成18年度当初予定は、次に述べる3点であった。1.複数の波形相関関数探査法に対する比較検討、2.新たな火山性微動データの取得を行う、3.人工地震データの系統的取得を行う。 項目1.に関して既存のデータ(草津白根火山・富士火山)に対して波形相関関数探査法の適用を行うとともに、これまで曖昧であった適用範囲に対する指標を明確に定義するとともに、地震波形相関関数探査法による火山浅部地下構造探査の応用例として論文を雑誌に発表した。さらに、既存の火山性微動データを波形相関関数探査法に適用するための基礎的な検討を行い、平成18年日本火山学会秋季大会で発表した。次に項目2.および3.に関して浅間火山におけるデータ取得を行った。人工地震観測に成功し、波形相関関数探査法に反射法解析を併用することで、浅間火山の構造を浅部から深部まで地震波イメージとして得ることに成功した。しかし、浅間火山では活動が小康状態であったので、2.に関するデータを得ることができなかった。さらに、この観測行為の実績をもとに観測計器仕様の見直しを行った。 これらのことによって、波形相関関数探査法に関する基礎的な知見およびデータが獲得され、次年度以降の研究の進展がひきつづき期待される。
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