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2006 年度 実績報告書

地動と大気圧の同時観測による大気ー地球音響結合の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540413
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

綿田 辰吾  東京大学, 地震研究所, 助手 (30301112)

研究分担者 関口 渉次  独立行政法人防災科学技術研究所, 地震研究部門, 主任研究員 (40399358)
キーワード十勝沖地震 / 地震動 / 気圧変動 / 微気圧 / 音響結合 / 伝達関数 / 音波 / 圧力波
研究概要

1.2003年9月26日(日本時)に発生したM8.3十勝沖地震時の微気圧データを解析した。日本列島近で発生した地震では1994年の北海道東方沖以降はじめてのM8クラスの地震であった。
(1)本列島に展開された微気圧観測網で、地震波の伝播と同じ速度で伝わる変動量2-3Paの微小な気圧変動が明瞭に観測された。微気計と同じ場所に設置された広帯域地震計に記録された地動上下速度と比較すると、圧力変動は地震波の到達時刻に始まりその波形は周期50秒以下でよく似ている。
(2)同一観測点での地動上下動速度と微気圧変動量の位相と振幅の関係を周波数領域で調べると、相対位相がほぼゼロ、振幅比は大気密度と大気中の音速の積とほぼ等しいことがわかった。
(3)等温大気を仮定した場合の、有限周波数と有限水平波長の効果を含む理論的な大気圧力と地動上下速度の周波数領域での振幅比を求めた。
(4)観測で求められた地動と大気圧の比は、理論から求められた比と周期50秒以下ではほぼ一致していた。それより長い周期では大気圧変動振幅が地震動に起因する圧力変動より大きく、安定した振幅比は得られなかった.
2.微気圧計測に使用した微気圧計そのものが機械的は振動を記録する可能性を、振動台に地震計と微気圧計を同時に載せて振動台を一定の周期で振動させ調べた。
(1)2003年北海道東方沖地震時の主要地動周期は15-20秒、振幅は1-2cmであるため振動台は周期10秒、20秒で鉛直方向に振幅1-2cmで正弦波状に振動させた。観測された圧力変動は、静水圧平衡下の流体中の上下の高度差による変動で振幅・位相ともに説明できた。
(2)仮に(振動周期x大気音速)よりも大きな振動台を揺らしたときに相当する動圧変化を推定すると、上記の静水圧変化よりも一桁大きい。
(3)これらより2003年十勝沖地震時に微気圧計で測定された大気圧変動には機械的な振動に起因する応答はほとんど無視できると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Atmospheric Pressure Change Associated with the 2003 Tokachi-Oki Earthquake2006

    • 著者名/発表者名
      Shingo Watada
    • 雑誌名

      Geophysical Research Letters 33

      ページ: 2006GL027967

  • [雑誌論文] 日本列島傾斜計アレイからみた破壊継続時間2006

    • 著者名/発表者名
      綿田 辰吾
    • 雑誌名

      月刊地球 56

      ページ: 95-99

  • [雑誌論文] 振動台を用いた気圧測定装置の加速度応答2006

    • 著者名/発表者名
      綿田 辰吾
    • 雑誌名

      地震研究所技術研究報告 12

      ページ: 19-23

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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