研究概要 |
これまで津波地震と呼ばれていたジャワ.ペルー,ニカラグア,千島の地震のデータを集めた.デジタルデータになる前の地震については,WWSSNのアナログ記録を集め,デジタル化作業をおこなった.これらのデータを用いて津波地震の詳細な震源過程を解析した.その結果,単に海底地下浅部で大きなすべりがあったことによる地殻変動によって大きな津波を起こした普通の巨大地震と,短周期成分に比べ長周期成分が卓越すると言われている津波地震とでは,震源過程において大きな違いが見られることがわかった.津波地震と言われている地震は,どれも最大すべり量が小さく,しかしすべりを起こした断層面積が大きい.従って断層面積の大きさによって解放したモーメントを稼いで規模が大きくなっているという特徴が見えてきた.またこれらの地震を起こしている場所もかなり限られた領域であることも見えてきた. またこれまで津波地震と言われていなかった地震の中にも津波地震と言える地震がある可能性があるので,今年度は津波を伴った巨大プレート間地震のリストアップも行った.それを元に今年度は,データがデジタル化された1990年代以降の巨大プレート間地震について詳細な震源再解析を行った.それによってこれまで津波地震と言われていなかったメキシコの地震も津波地震である可能性が出てきた.そのほかにも,これまで津波地震と言われていたジャワの地震が津波地震ではない可能性もでてきた.
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