研究概要 |
平成18年度は、サンプリングを最も重要課題としつつ、以下の項目につき実施した。 1.ミネソタ渓谷サンプリング ミネソタ大学地質学者の協力を得て、ミネソタ渓谷花崗岩類のサンプリングを行った。 (1)Sacred Heart花崗岩(〜2.5Ga):本体から4サイト、母岩との接触部分から1サイトを採取した。 (2)片麻岩(3.5Ga/2.5Ga):本体から3サイト、花崗岩との接触部分から1サイトを採取した。 (3)アダメライト(〜3.1Ga):1サイト採取した。 (4)ハンレイ岩(2.5-3.1Ga):2サイト採取した。ただし、変成作用を受けていると推定される。 2.ミネソタ州中部・北部サンプリング 以下の地点から原生代パイロット試料を採取した。 (1)St.Cloud花崗岩(〜1.8Ga) (2)Duluth Complez,(〜1.8Ga) 3.Sacred Heart花崗岩について行った測定結果 (1).残留磁化方位の測定 熱消磁、交流消磁、低温消磁を行い、初生磁化の抽出を試みた。結果として、低温消磁が極めて有効であることがわかった (2)岩石磁気特性の測定 多磁区マグネタイト粒子による磁化が80%近く、後は単磁区マグネタイト粒子がキャリアと推定される。 (3)残留磁化の起源の検討 岩多磁区マグネタイト粒子による磁化はVRM起源と推定された。 (4)古地磁気強度の予察実験 多磁区マグネタイト粒子のブロッキング温度が500℃程度まであること、低温消磁が有効であることから、LTD-DHTショー法の適用がより良いと思われる。 (5)年代測定の準備 岩石薄片観察から、U-Pbジルコン年代測定、Rb-Sr鉱物年代測定が可能と思われる。
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