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2006 年度 実績報告書

地球内部深さ200kmの謎に関する地震学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540421
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

久家 慶子  京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50234414)

キーワード固体地球物理学 / 地球・惑星内部構造 / 地殻・マントル物質 / 地震
研究概要

「プレートが何であるか」を解明する上で、プレートの内部構造は鍵である。プレートの内部構造を推測するために、プレートを横切って発生した大地震の破壊過程の性質を使って、プレート内部構造に関連して変形や圧力・温度に依存する特性を調べた。対象として用いた地震は、チリ北部で発生したやや深い大地震である。この地震の震動は、震央距離数百km以内にあるチリ大学の数台の強震計で記録することに成功した。本研究ではその地震波形の記録を用いて、地震の破壊過程の時空間的な変化を調べた。この地震では、最初に大きな応力降下を伴ったすべりが震源の東側の小さな領域でおこり、その後、比較的継続時間の長いすべりがS波速度の60%程度の速度で北から北西の方向に広がった。空間的に大きく変化する破壊特性はプレート内部の構造を反映しているようにみえる。この破壊過程の特徴は、遠地で記録されたP波の波形からも推測できる。また、地震波によって放射された地震波エネルギーを遠地P波から推定すると、その値は、同程度の応力降下量、地震モーメントをもつ過去の地震にくらべて小さい。破壊が広がっていく上で、多くのエネルギーを消費していた可能性を暗示する。今後、検出された特性をさらに高精度で丁寧に検査しながら、どのような動的過程とプレート内部の状態が特徴を生み出すことができるか、明らかにすることが求められるだろう。一方、プレートやマントルの深さ約100km-400kmの不連続を通過・反射する可能性がある地震波の収集をすすめ、それらの地震波形記録からターゲットとする領域のマントル構造モデルの構築準備もすすめている。南米では、大陸内部と海側の地域で異なる上部マントル構造を示唆するようなデータも得ている。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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