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2007 年度 実績報告書

地球内部深さ200kmの謎に関する地震学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540421
研究機関京都大学

研究代表者

久家 慶子  京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50234414)

キーワード固体地球物理学 / 地球・惑星内部構造 / 地殻・マントル物質 / 地震
研究概要

プレートやマントルの深さ約100km-400kmの不連続を通過・反射する可能性がある地震波の収集をすすめる一方、地表とマントル・核境界の間を多重反射する長周期S波と、P波から得られるレシーバー関数を用いて、本研究の焦点である上部マントルを含むマントルの中にある不連続面の存在とその性質を調べた。その結果、良好なS/N比の長周期S波多重反射波が観測される南米大陸の中緯度部において、大陸西側の沈み込み帯周辺と大陸内陸部との間に構造の違いが検出された。S波多重反射波の波形解析は、沈み込み帯周辺の上部マントルが、平均的に、S波を減衰しにくい可能性を示す。大陸内部の上部マントルには、そのようなS波低減衰の傾向は検出されていない。S波多重反射波の波形解析から同時に推定されるマントル遷移層の厚さをもとに、上部マントル下部の温度推定を試みた。その温度と、岩石実験で得られているマントル岩石の地震波減衰の温度特性とから予想されるS波の減衰は、大陸内陸部の上部マントルで検出された観測結果に調和的である。沈み込み帯周辺の上部マントルの下部が遷移層温度から予想されるようなS波の減衰をもつとすると、S波減衰が小さい領域は、地表から深さ約200kmぐらいまでにあると思われる。沈み込み帯周辺のレシーバー関数には、大陸内部にくらべて長い継続時間が見られるが、深さ80kmぐらいまでに複数の不連続面があると説明がつくようにみえる。なお、前年度に見つかった稍深発地震の破壊過程の不均質とプレートの内部構造との関連を探るための研究も準備的にすすめている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Crustal and Upper Mantle Structure beneath Central South America Deduced from ScS Reverberation Waveforms and Receiver Functions2007

    • 著者名/発表者名
      Okaue, Y., K. Kuge, and M. Kato (発表:K. Kuge)
    • 学会等名
      American Geophysical Union 2007 Fall Meeting
    • 発表場所
      San Francisco, USA
    • 年月日
      2007-12-12
  • [学会発表] Crustal and Upper Mantle Structure beneath Central South America Deduced from ScS Reverberation Waveforms and Receiver Functions2007

    • 著者名/発表者名
      Okaue, Y., K. Kuge, and M. Kato (発表:M. Kato)
    • 学会等名
      The International Union of Geodesy and Geophysics XXIV General Assembly
    • 発表場所
      Perugia, Italy
    • 年月日
      2007-07-06
  • [学会発表] Crustal and upper mantle structure beneath 20S of South America2007

    • 著者名/発表者名
      岡上雄介・久家慶子・加藤護(発表.:久家慶子)
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2007年大会
    • 発表場所
      千葉・幕張メッセ
    • 年月日
      2007-05-23

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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