研究概要 |
短周期地震動の生成メカニズムを解明するためには,断層の複雑な破壊過程を詳細に調べる必要がある。そのためには、破壊物理に基づく動力学的断的層破壊モデルを使う必要がある.本研究では、最近の被害地震の動力学モデルを作成し、そのモデルに基づく短周期地震動の計算手法を開発する。そして,その手法を用いて、実際の地震の断層近傍の記録から、短周期地震動の生成に大きな影響を与える動力学的断層破壊パラメータを推定する。 断層の動力学的破壊断層の動力学的破壊モデルを作成するためには,断層の摩擦構成則のパラメータを求める必要がある。そのため,運動学的モデルを用いて、大地震のせん断応力履歴を調べ,断層の摩擦構成則のパラメータを推定する。本研究では2000年鳥取県西部地震(M7)の動力学的断層破壊パラメータを上記の手法により推定し、断層動力学的破壊を考慮した差分法を用いて、鳥取県西部地震の動力学断層破壊モデルを作成した。短周期地震動の生成メカニズム短周期地震動の生成に一番大きな影響を与えるパラメータは破壊速度の局所的な変化である。これを明らかにするため,動力学的モデルの断層面内の破壊時間を求め、破壊速度のグラディエントを計算した。そして,動的モデルから求めた応力降下量と破壊速度のグラディエントの積を取ることによって、断層面内において短周期地震動が強く生成される位置を明らかにした。断層の動力学破壊モデルと短周期地震動手法の開発上記の短周期地震動の生成メカニズムの物理モデルを用いて,短周期地震動の計算手法を開発した。
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