研究課題
1.南北一次元エネルギーバランスモデル(EBM)を用いた検討拡散近似の南北一次元エネルギーバランスモデルを構築し、昨年度に続いて離心率の影響を吟味した。本研究の中心課題である離心率以外に、太陽放射強度、公転周期、惑星表層の熱容量、水平熱輸送効率(今の場合拡散係数)、自転軸傾斜が考えられる。自転軸傾斜は春分点と近日点の位置関係によって影響が異なってくるから、春分点と近日点の位置関係もパラメターに加わる。昨年までの結果に加えて、年間の温度変化幅の傾斜角の大小と歳差運動依存性を明らかにした。2.大気大循環モデル(GCM)を用いた検討地球大気用に気候システム研究センターと国立環境科学研究所で共同開発してきたCCSR/NIESAGCM5.4gを使用して、理想的な惑星(現在の地球大気、地球サイズ)のモデルを作り、離心率を変化させる実験をすすめた.(1)定性的にはEBMを用いた結果と一致するが、やや寒冷化する傾向がある。(2)地面状態の違いによって、離心率が増大したときに暖かくなる場合と寒くなる場合がある。(3)降水分布の年変化は自転軸傾斜による直立・傾斜レジームと離心率による溜め込み・放出サイクルの合成されたものとして理解できる。3.生存可能性について:(1)熱容量が大きい場合、年平均日射が最も重要である。(2)歳差運動まで考慮すると、生存可能な緯度帯を持つ惑星の軌道は自転軸が少しでも傾くと離心率が小さい範囲に制限される。
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Proc. ISAS Lunar Planetary Symp., Japan Aerospace Exploration Agency掲載確定 40(In press)
科学 77
ページ: 148-149