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2008 年度 実績報告書

夏季モンスーンのオンセットの変動機構と予測可能性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18540432
研究機関富山大学

研究代表者

川村 隆一  富山大学, 理工学研究部, 教授 (30303209)

キーワードモンスーン / オンセット / オホーツク海高気圧 / 大気海洋相互作用 / 大気陸面相互作用 / 遠隔伝播
研究概要

夏季東アジアモンスーンのオンセットと変動に関連するテレコネクションパターンを調査した結果、2種類のEJパターン(EJタイプ1とEJタイプ2)のうち、オホーツク海高気圧の変動を良く説明する正のEJタイプ2 (EJ2^+)と負のPJ (PJ^-)が複合すると、東アジア地域の対流圏中層の高度場に顕著な三極構造(オホーツク海とフィリピン北方の北西太平洋に正偏差、日本に負偏差)が出現する。EJ2^+とPJ^-のテレコネクションの複合効果は、東アジア北東部において単独のテレコネクションよりも大きな地上気温の低下をもたらしており、夏季東アジアモンスーン循環に実質的な影響を与えていることが見出された。また、LF成分のテレコネクションの複合によって、日本周辺海域において明瞭な海面水温の低下が生じている。LF-EJ2^+パターンとLF-PJ^-パターンは共に1980年以降、頻繁に出現する傾向があり、結果として、LF成分でのテレコネクションの複合事例が過去20年間で増加した可能性がある。特に日本における、降水量増加を伴う極端な冷夏(例えば、1993年、2003年)はしばしばそのようなLF成分の複合によって生じている。
また、夏季アジアモンスーンの季節進行における段階的なオンセットのプロセスを大気海洋結合大循環モデルで調べた結果、東南アジアの5月中旬のオンセットは広域の温度コントラストの反転が主要素であること、対照的に、6月中旬のオンセットではSST効果は対流活動の活発化に対し負のフィードバック効果として働いていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Important factors for the development of the Asian-Northwest Pacific summer monsoon2009

    • 著者名/発表者名
      Ueda, H.
    • 雑誌名

      J. Climate 22

      ページ: 649-669

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Remote response of the East Asian winter monsoon to tropical forcing related to El Nino-Southern Oscillation2009

    • 著者名/発表者名
      Sakai, K.
    • 雑誌名

      J. Geophys. Res. 114

      ページ: D06105

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大気海洋相互作用からみた気候変動2008

    • 著者名/発表者名
      川村隆一
    • 雑誌名

      地学雑誌 117

      ページ: 1063-1076

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of combined teleconnection patterns on the East Asian summer monsoon circulation : Remote forcing from low-and high-latitude regions2008

    • 著者名/発表者名
      Ogasawara, T.
    • 雑誌名

      J. Meteor. Soc. Japan 86

      ページ: 491-504

    • 査読あり
  • [学会発表] Remote response of the East Asian winter monsoon to tropical forcing related to El Nino-Southern Oscillation2008

    • 著者名/発表者名
      Kawamura, R.
    • 学会等名
      Asia Oceania Geosciences Society 5^<th> annua1 meeting
    • 発表場所
      Busan (韓国)
    • 年月日
      2008-06-19
  • [図書] 自然と経済から見つめる北東アジアの環境2009

    • 著者名/発表者名
      川村隆一(2章分拒執筆)
    • 総ページ数
      311
    • 出版者
      富山大学出版会

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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