研究課題/領域番号 |
18540437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
小林 隆久 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 室長 (40343892)
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研究分担者 |
井上 豊志郎 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 室長 (90343889)
増田 一彦 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 室長 (90354513)
青木 輝夫 気象庁気象研究所, 物理気象研究部, 室長 (30354492)
石元 裕史 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 主任研究官 (70281136)
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キーワード | 衛星センサー / 能動型センサー / エーロゾル間接効果 / 雲 / 降水 |
研究概要 |
本研究は、衛星搭載能動型・受動型センサーの複合利用により、エーロゾルの間接効果に関する知見を得るものである。初年度であるH18年度は、翌2年度以降に実施する本格的な解析のための準備作業を行った。衛星搭載レーダー、ライダー並びに可視・赤外放射計データを宇宙航空研究開発機構、米国航空宇宙局から収集すると共にこれらのデータ処理プログラム並びに衛星データからエーロゾルの光学的厚さ、有効半径を抽出するための放射伝達モデル、地表面特性モデル、非球形粒子の散乱モデルなどを開発した。これらの衛星データの多くはHDF (Hierarchical Data Format)と呼ばれる特殊な形式で保存されており、通常IDL等のツールを用いて解読されている。しかし、本研究では気候値のような高度処理データではなく生データに近い低レベルの大量のデータを利用・解析する。本研究で開発したものは、高速でHDF形式のデータを読み込むためのプログラムである。 観測領域、時刻はセンサー毎に異なる。このため、複数センサーの同一観測地点・時刻のマッチアップデータを作成し、また等間隔の緯度経度にデータを割り当てたグリッドデータを作成した。これらの観測データを複合利用することで、雲の微物理特性のみならずエーロゾル、降水についての知見が得られるものと期待できる。 エーロゾルの間接効果を理解する上で最も重要な雲粒サイズならびに光学的厚さを、衛星搭載可視・赤外放射計の可視チャンネルおよび近赤外チャンネルの放射輝度から試験的に抽出し、観測値および抽出手法の精度・信頼性を確認した。試験的な観測ながら、雲粒サイズの最大値が気象条件、特に降水状態により大きく変わるという興味深い結果が得られている。いわゆる臨界雲粒サイズに関連するもので一部の結果を国際学会で発表すると共に、さらにデータ解析を継続中である。
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