研究課題
基盤研究(C)
中新世以降の湖沼珪藻変遷史と、それに基づく年代尺度作成のため、湖沼堆積岩層序、湖沼珪藻生層序に関するデータを集積し、それらを解析して、淡水珪藻変遷史解明、淡水珪藻生層序確立への基礎とすることを目的に本研究をすすめている。佐渡島の真更川層、壱岐島の長者原層、能登半島の山戸田層、日本海の大和堆から採取されたコアRC12-394の初期中新世淡水珪藻土に加えて、日本列島各地から採取した中期中新世〜第四紀の珪藻質泥岩、北米大陸産の湖沼堆積岩などを解析し、淡水化石珪藻群集、とりわけThalassiosira、Cyclotella、Mesodictyon、Cyclostephanus、Pliocaenicus、Stephanodiscus各属の分類と、それらによる生層序の組立てを試みた。生層序組立ての基礎となる分岐分類は、研究協力者、St.Cloud州立大学Matthew L.Julius氏によって進められた。この解析によって、中期中新世〜第四紀にいたる化石珪藻37種からなり、中期/後期中新世境界、鮮新世中期、鮮新世後期、鮮新世/更新世境界などに複数の出現/絶滅層準が認められる淡水珪藻生層序の試案が完成した。なお、中新世初期に環太平洋で同時に起こった考えられる湖沼珪藻Actinocyclus属の大発展を、日本列島と北米大陸間で種構成比較することや、その成果の淡水珪藻生層序へ反映する作業は、次年度に継続して行う。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
Journal of Phycology 42
ページ: 270-279
Journal of paleolimnology Pbulished online
ページ: www.springerlink.com