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2008 年度 実績報告書

初期物質進化過程の実験的解明:コンドライトからエコンドライトへ

研究課題

研究課題/領域番号 18540471
研究機関東京大学

研究代表者

宮本 正道  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70107944)

キーワード損石 / 宇宙物質 / コンドライト / エコンドライト / 物質進化 / 原始惑星 / 部分溶融 / メルト
研究概要

本研究の目的は、コンドライト損石について、小規模な初期部分溶融によって、どのような組織・組成のメルトが形成されるかを実験的に再現・分析し、さらに、コンドライトからエコンドライトへの物質進化の初期状態を残しているプリミティブ・エコンドライトに見られる組織鉱物組成と比較することにより、原始惑星の最初期に起こった分化過程を実糊にシュミレートし、物質分化の最初期の素過程解明することである。
光学顕微鏡下で、部分溶融実験を行うための顕微鏡用真空加熱装置を本経費で購入した。H6コンドライト損石(Asuka881571)のチップを用いて、1150℃まで、真空条件下で加熱・溶融実験を行った。その結果、約1000℃で、まずFeSが周りの物質と反応し、徐々に部分溶融することが分かった。チップ試料を用いた場合は、粉末試料を用いた通常の溶融実験と比較して反応の進み具合が遅いことが予想されるが、一定温度をある程度保つことでゆっくりと反応が進み、また、FeSが周りの物質と徐々に反応していく。このようにまずFeSから反応が進んで行くことは、プリミティブ・エコンドライトに見られるような鉄分布の偏りと調和的な結果であり、初期の物質進化の研究に重要な示唆を与えるものである。
また、酸素分圧を還元的にすることによる白金の劣化については短時間の加熱ならばそれほどの劣化が起こらないようであるが、今後数多くの実験を重ねることによって、実験条件を決定する必要があると考えられる。しかしながら、真空条件下でも初期の物質進化について重要な示唆を与える結果が得られた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cooling rates of porphyritic olivine chondrules in the Semarkona (LL3.00) ordinary chondrite: A model for diffusional equilibration of olivine during fractional crystallization2009

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto M. et al.
    • 雑誌名

      Meteoritics and Planetary Science 44(印刷中掲載確定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cooling rates of Y980459 and DAG476 shergottites on the basis of Fe-Mg zoning of olivine2009

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto M. et al
    • 雑誌名

      Lunar and Planetary Science XL

      ページ: 1143.pdf

  • [雑誌論文] Fe-Ni metal and magnetite nano-particles in "brown" color olivines from martian meteorites2009

    • 著者名/発表者名
      Kurihara et al.
    • 雑誌名

      Lunar and Planetary Science XL

      ページ: 1049.pdf

  • [学会発表] A model to calculate the cooling rate by Fe-Mg diffusional calculation during olivine crystal growth2008

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto M. et al.
    • 学会等名
      71st meeting of the Meteoritical Society
    • 発表場所
      松江市,島根県
    • 年月日
      20080728-0801

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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