研究概要 |
1)1256D掘削孔のシート状岩脈群 ・厚さ346mの岩脈群から採取した72個のコア試料の岩石薄片を作成した。 ・孔内計測の音波(UBI)および電気伝導度(FMS)のイメージと回収されたコア試料を対比し,主要な岩相の分布深度(掘削孔における海底面からの位置)を決定した。 ・噴出岩層とシート状岩脈群の孔内計測密度を元に1256D孔が東太平洋海膨軸上にあったときの上部地殻の静岩圧を計算した。 ・代表的な噴出岩層の全岩化学組成を元に1256D孔が東太平洋海膨軸上にあった当時,マグマ溜りから海底面までの圧力下におけるマグマの密度を推定した。 ・この結果,シート状岩脈群はマグマの浮力の中立点ではなく,浮力の中立点は地殻のごく浅部(<300-400m)にあることが判明した。 2)1256D掘削孔,504B掘削孔,Hess Deepの海洋地殻構造に関するデータの比較検討を行った。 ・噴出岩層とシート状岩脈群の厚さの比(Re/i)が拡大速度と逆相関にあることがわかった。 ・オマーンオフィオライトでは,拡大軸セグメントの末端でRe/iが大きいことがわかった。 3)北部オマーンオフィオライトシート状岩脈群 ・古拡大軸で噴出した厚さ1300mに達する岩脈群から層序的に上位の溶岩層との境界付近から最下部のガブロとの境界まで,数カ所から岩脈の試料採集を行い,岩石薄片を作成した。 ・粗粒な結晶については,新規導入の偏光顕微鏡デジタル画像解析装置を用いて,細粒結晶についてはSEMを用いて結晶粒径分布とモード粒径を求めた。
|