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2007 年度 実績報告書

沈み込むスラブが部分溶融する物理条件の推定

研究課題

研究課題/領域番号 18540473
研究機関京都大学

研究代表者

柴田 知之  京都大学, 理学研究科, 助教 (40332720)

研究分担者 氏家 治  富山大学, 理学部, 教授 (10176662)
キーワードスラブメルティング / アダカイト / 深発地震 / 物質循環 / 西南日本弧 / フィリピン海プレート / 半自動同位体分析
研究概要

日本の第四紀アダカイトマグマの分布範囲を明瞭にするため、フィリピン海プレートの沈み込む関東から九州にかけての地域の第四紀マグマの地球化学的研究を行った。その結果、北東端は甲府北側火山群に属する黒富士岳であること、西南端は中部九州の九重火山が、アダカイトマグマの活動域であることを明らかにした。アダカイト分布域のうち、中部日本と西南日本ではマグマ発生のスラブ深度は70km程度で、世界の他の地域と類似している。しかしながら、九州においては120km以深である。九州ではフィリピン海プレートの沈み込み角度が他地域と比べ急である。このことは、鉛直方向の沈み込み速度が大きい事を意味し、これによりスラブの深度に対する温度上昇率の低下が起こり、より深い深度で部分溶融が起こったと考えることで説明可能である。もしそうであれば、スラブの部分溶融を規制する条件は、スラブの脱水反応を規制する圧力(Tatsumi, 1998 JGR)ではなく温度であると結論することが出来る。また予期せぬ成果として、黒富士周辺では現在はフィリピン海プレートの部分溶融がマグマ起源となっているが、後期中新世から鮮新世の間は太平洋プレートの脱水とそれによって起こったマントルウェッジの部分溶融が根本的なマグマ起源であり、さらにその初生マグマが地表まで上昇する過程でフィリピン海プレート由来の物質により汚染されたことが分かった。さらに、これらの研究を効率よく遂行することを目的に、新たに、半自動化した同位体分析技術の開発も行った。この分析技術については、すでにJMPSに公表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Semi-automatic Chemical Separation System for Sr and Ndisotope analyses2007

    • 著者名/発表者名
      Shibata, T., Yoshikawa, M. and Sugimoto, T.
    • 雑誌名

      Journal of Mineralogical and Petrological Sciences 102

      ページ: 298-301

    • 査読あり
  • [学会発表] The try of data mass production for Sr, Nd and Pbisotope ratios of rock samples2007

    • 著者名/発表者名
      柴田知之・芳川雅子・杉本健
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2007-05-19

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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