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2007 年度 実績報告書

岩石変形実験に基づく稍深発地震の発生メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18540476
研究機関広島大学

研究代表者

安東 淳一  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50291480)

キーワード稍深発地震 / 蛇紋岩 / 塑性変形 / 固体圧式変形実験装置 / 転位クリープ / パイエルス機構
研究概要

本研究の目的は、固体圧式3軸変形試験機を用いた蛇紋岩の変形実験を通じて、稍深発地震の発生過程とその発生メカニズムを明らかにすることである。本年度に行った研究の概要は以下の通りである。
蛇紋岩の安定領域において定歪速度実験を行った。実験試料には長崎変成岩中のアンチゴライト蛇紋岩を用いた。この蛇紋岩には片理面が発達しており、片理面に垂直な方向から直径約7.0mm×高さ約7.0mm、および、直径約3.0mm×高さ8.0mmの大きさの円柱をくりぬき実験試料とした。実験条件は、封圧1 GPaと3GPa、温度は450℃-700℃、歪速度は2.0-2.4×10^-5/秒とした。
得られてた流動応力は、1 GPaの封圧条件において、450℃で約1070MPa、500℃では約960MPa及び約1200MPa、550℃では約830MPaと1080MPaである。また3GPaの封圧条件においては、600℃では約2100MPa、650℃では約1300MPa、700℃では約845MPaである。この結果は、封圧500MPa以下の条件で行ったRaleigh and Paterson(1965)の蛇紋岩の変形実験の結果と調和的である。すなわち、同じ温度条件では封圧の増加にともない流動応力は増加し、また、同じ封圧条件では、温度の上昇にともない流動応力は低下する。そして特徴的な事は、封圧が増加するに従って、流動応力の温度依存性が著しく大きくなる事である。これは、変形のメカニズムがパイエルス機構から転位クリープへ変化している為と考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] In-situ strength measurements on natural upper-mantle minerals2008

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, J.
    • 雑誌名

      Physics and Chemistry of Minerals (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ultra-low friction of carbonate faults caused by thermal decomposition2007

    • 著者名/発表者名
      Han, R.
    • 雑誌名

      Science 316

      ページ: 878-881

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Seismic slip record in carbonate-bearing fault zones: an insight from high-velocity friction experiments on siderite gouge2007

    • 著者名/発表者名
      Han, R.
    • 雑誌名

      Geology 35

      ページ: 1131-1134

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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