研究概要 |
平成18年度から繰越分の科研費により,山陰地域,特に山ロ県を中心にフィールド調査を行い,花崗岩及び花崗閃緑岩(広島花崗岩)の風化プロファイルで,原岩に近い組成から土壌までの採取可能なものでバイオタイト(アパタイトを内包している可能性の高い)が多くみられるものからサンプリングを行った。 その際,同一プロファイルから,(1)通常の方法により採取したもの,(2)ファルコンチューブに無菌的に採取したもの の2種類をサンプリングし,(2)のサンプルは,速やかに-80℃のフリーザーで冷凍保存した。 (1)のサンプルについては,同じく平成18年度から繰越分の科研費により希土類元素も含めた68元素の化学分析を行っている(ACTLABS社(カナダ)に依頼)。その結果については,繰越分の実績報告書に記載した。 (2)のサンプル中,山ロ市近郊で採取した071227-8および萩市近郊で採取した071227の2サンプルについて,サンプル3gに3mlの滅菌0.9%NaClを加えて懸濁させ1時間放置し,再度懸濁と1時間放置を繰り返した後,その上清を用いて滅菌0.9%NaClで10^<-1>から10^<-6>までの希釈液をつくり,各0.1mlを10倍希釈LB(Luria Bertani)培地および10倍希釈GYP培地の二種類の低栄養寒天培地にスプレッドして室温放置培養を行った。100-200個程度コロニーが生育したプレートから,無作為に50個ずつシングルコロニーを釣り菌して,上記寒天培地にそれぞれのストリークを繰り返して単一のコロニーを得た。今後はこれらの菌からDNAを抽出してRAPD法で菌株をクループ分けし、代表菌株につい16SrDNAの塩基配列を決定し,近隣接合法により分子系統樹を作成し、風化の度合いとのそこに存在する微生物についての関連性を比較する予定である。
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