研究概要 |
電荷変換断面積測定に関して、現有の装置を改良し、イオン発生部真空槽の真空排気系とターゲットガス圧力記録計を更新した。イオン発生部真空槽の真空排気系をターボ分子ポンプを使用したものに更新したことにより、従来の油拡散ポンプによる真空排気系では(ポンプ油による汚染のため)得られなかった高Z元素イオンビームを得ることに成功し、衝突エネルギー5〜10keVでのタングステン元素1価正イオンの、各種希ガス(He, Ne, Ar, Kr)ならびに水素(H2,D2),窒素ガスターゲットに対する電荷変換(電子捕獲)全断面積を絶対値測定した。本測定データは、下記の電荷変換断面積データ公開サーバの詳細と共に、平成19年7月にドイツ・フライブルクにて開催される第25回光・電子・原子衝突国際会議にて発表を行う。(報告概要受理済) 電荷変換断面積データ公開サーバ構築に関しては、既に設計を完了してあったデータベース仕様を若干改善し、平成18年8月に導入したサーバ計算機上に、合計10のデータテーブルから構成されるデータベースを構築した。このデータベース上に、20O4,2005両年に学術雑誌に発表された電荷変換断面積の実験測定値(443種衝突系に関する1492レコード)の衝突系,衝突エネルギー,断面積と測定誤差データおよび実験手法を、論文書誌情報(題名,掲載誌,巻号頁,著者,著者所属)ならびに検索用キーワードと共に収録し、平成18年9月よりインターネット上で公開開始した。本データベースの仕様,データテーブル構成,実際の検索手順等につき、平成18年10月にフランス・パリで開催された第5回原子分子データとその応用に関する国際会議ならびに平成19年2月に韓国・大田で開催された第3回日韓原子分子データ共同ワークショップにて発表を行った。
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