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2006 年度 実績報告書

液体プラズマの発光デバイスへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 18540493
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

白藤 立  京都大学, 国際融合創造センター, 助教授 (10235757)

キーワード水面上放電 / 水中気泡放電 / エタノール中放電 / マイクロバブル / 液体プラズマ処理 / 発光デバイス / 液中元素分析 / 水質浄化
研究概要

本年度は,液体を媒質とした場合の放電に着手し,水面上のバリア放電,ならびに,ピペット内単一気泡内における放電実験を行った.また,マイクロバブル発生器を用いて生成したバブル水中での放電にも着手したが,水中よりも水面での沿面放電が支配的となったため,装置改良を行った.以上の実験により,水表面が電子を吸収し,低電圧での放電維持のためには,金属表面や金属微粒子が水面と同時に存在することが必要であることが明らかになった.一方,媒質をエタノールとした場合に,以下のように液体中での持続的な発泡現象とそれに伴う放電が観測された.実験は,多孔質テフロンチューブ(ポア〜約1μm)で被覆された直径1/4インチのステンレス棒をエタノール中に浸し,周波数10kHz, P-P電圧10kV, Duty 50%の矩形波を印加して行った.電圧印加直後は放電せず,液温上昇のみが観測された.約2分後に平均液温が約70℃に達すると,金属棒近傍で泡発生と発光が観測された.発光の起源を明らかにするために,発光分光スペクトルの測定を行ったところ,HaとFeの発光が観測された.Haの発生はエタノールの解離を意味し,Feの発生は放電領域が金属棒と接していることを意味しており,多孔質膜を経て膜・金属界面に供給されたエタノールの熱による気化とその放電が生じていると考えられる.また,発光は金属棒に負電圧が印加されているときだけ観測されており,放電によって生成された正イオンによって金属棒から二次電子が放出されることにより負電圧印加時の放電が維持されているものと考えられる.水の場合にも,水温が気化温度(100℃)近くになるが,撥水性ではない多孔質チューブ(多孔質シリカ等)を用いることで,同様の持続放電が水中で可能となると予測される.これにより,当初の目標である発光デバイスへの応用に加えて,液中元素分析,水質浄化などの応用にも適用可能になると考えられ,次年度の研究を推進するための基礎ができたと考えられる.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Plasma-liquid interaction in liquid-electrode embedded dielectric barrier discharge2006

    • 著者名/発表者名
      T.Shirafuji, M.Kimura, K.Tachibana
    • 雑誌名

      8th Asia-Pasific Conference on Plasma Science and Technology 8

      ページ: 253

  • [雑誌論文] 水及び誘電体壁で囲まれた単一気泡内における放電の観測2006

    • 著者名/発表者名
      白藤立, 木村優, 橘邦英
    • 雑誌名

      第67回応用物理学会学術講演会 67・1

      ページ: 178

  • [雑誌論文] 水電極誘電体バリア放電の生成と評価2006

    • 著者名/発表者名
      木村優, 白藤立, 橘邦英
    • 雑誌名

      第47回真空に関する連合講演会 47

      ページ: 152

  • [雑誌論文] Generation of micro bubbles in a liquid medium and observation of their discharges2006

    • 著者名/発表者名
      T.Shirafuji, M.Kimura, K.Tachibana
    • 雑誌名

      The 24th Symposium on Plasma Processing 24

      ページ: 179-180

  • [雑誌論文] Discharge characteristics of the plasma on liquid media2006

    • 著者名/発表者名
      M.Kimura, T.Shirafuji, K.Tachibana
    • 雑誌名

      The 24th Symposium on Plasma Processing 24

      ページ: 207-208

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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