研究概要 |
1.各種液中・液上放電の観測 外部からのガス導入が不要な泡発生方として,水の電気分解を利用し,水溶液中に生成された水素並びに酸素の泡内における放電に成功し,それぞれにいて水素原子,酸素原子による発光を観測した.また,強制的に外部から泡を供給した場合についても,バブル発生器との組み合わせにより検討し,バブル密度が,水中リーダー放電の長さではなく,むしろ放電開始電圧に影響を及ぼすことを見出した.また,マングローブ型の電極を液体に浸すことによって,液面上での高輝度の放電が可能であることを見出し,液体起因のOH,酸素,水素による発光を確認するとともに,液体の化学的組成の改質(不純物分解や炭化水素の分解)にも利用可能であることが見出され,発光デバイスのみならず,液体関連環境浄化への応用も可能であることが明らかになった. 2.印加電圧波形の効果の調査 液中放電において,20〜30kVの高電圧を用いると,放電によって発光が得られるとともに,液体の気化による泡が発生した.1pps程度の低周波パルス印加の場合には,電極近傍で発生したこの泡が遠方に離脱するため,より高電圧を用いなければならないが,数百pps程度の高周波パルスにすることによって,発生した泡が電極近傍に常に存在し,より低電圧での放電と発光維持が可能であることを明らかにした.
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