研究課題/領域番号 |
18540496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
進藤 春雄 東海大学, 情報理工学部, 教授 (20034407)
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研究分担者 |
岩尾 徹 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (80386359)
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キーワード | 半導体超微細化 / プラズマ加工 / マイクロマシン / プラズマ測定 / 高周波プラズマ / マイクロナノデバイス / ナノ材料 / 電子エネルギー分布 |
研究概要 |
集積回路(LSI)プロセスの中心技術であるエッチング装置のプラズマ分析技術として、プラズマ電子エネルギー分析装置プロトタイプの開発を目的とするものである。平成18年度は装置製作ならびに分析システム構築を中心として主に以下の成果を得た。 (1)本研究の主要課題である電子エネルギー分布測定の対象プラズマ源として、平行平板型プラズマ発生装置の設計製作を行ない、電源周波数13MHzでのプラズマ生成装置を製作した。また電子エネルギー分布測定装置として、エミッシブプローブに高インピーダンス測定回路、300MHzディジタルオシロスコープならびにコンピュータを組み合わせ、LabViewシステムを利用して測定分析装置システムプロトタイプを構築した。 (2)電源周波数13MHzにおけるアルゴンプラズマ生成実験ならびに本測定分析装置による電子温度測定、電子エネルギー分布測定の初期実験を実施し、プラズマ発生装置、電子エネルギー測定装置および測定システムの動作状況を調べると同時に、測定結果の分析を詳細に行った。 (3)本プラズマ分析法の原理となるエミッシブプローブの特性として、種々プラズマ測定条件においてプローブ加熱電圧に対する浮遊電位の特性を調べた。その結果、プラズマ電子エネルギー分布がマックスウエル分布である条件においては、加熱電圧-浮遊電位特性が理論的に説明可能であることを実証した。また、この特性の測定値と理論値を比較することにより電子エネルギーの平均値である電子温度を決定することが可能であることを実証した。 (4)上記電子温度測定ならびに電子エネルギー測定の際に得られるエミッシブローブ特性を理論的に詳細に検討した結果、その特性曲線全体が理論的に計算可能であることから、本プラズマ分析技術の原理の妥当性を実証するとともに、電子温度の測定結果が妥当であることを示した。これらの成果を前記(3)の結果を含めて応用物理学会、米国真空学会で公表した。また本論文としても投稿中である。 (4)エッチングガスプラズマ分析用フィラメント材料の選定実験として、現有のハロゲンガス対応RIE装置において、レニュウムをフィラメント材料としてテストし、その実用性を一部検討した。 (5)測定回路の光結合化とデータ処理コンピュータとの光通信化など分析システムのインテグレーションは未だ不完全であり、このため電子エネルギー分析部も未だ完成の域に無い。これらを19年度の研究課題とし、プラズマ分析装置の完成を目指したい。
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