超短パルス高強度レーザーと薄膜との相互作用により、コヒーレントなX線が生成される。このようなコヒーレントX線発生に関する基礎プロセスを解明する上で、レーザーのプリパルスによって生成されるプリフォームドプラズマを評価しておく必要がある。ここでは、超短パルス高強度レーザーを金属の薄膜ターゲットに照射した際のプリフォームドプラズマを干渉計測により評価した。 実験は、チタンサファイアレーザー(中心波長800nm、パルス幅250fs)を集光用のポンプ光と計測用のプローブ光に分けて行った。ポンプ光は、軸外し放物面鏡を用いてチタンの薄膜ターゲットに照射した。ポンプ光の集光強度は、〜2.5x10^<18>W/cm^2であった。プローブ光は2倍高調波(400nm)を用いて、ターゲット表面を通過させ、干渉計測によって測定した。干渉縞はバイプリズムを用いてレーザービームの波面を傾けることによって生成した。ポンプ光とプローブ光の時間差を調整することにより、メインパルスの約50ps前でのプリフォームドプラズマの測定を行った。その結果、レーザー入射側にプリフォームドプラズマが生成されていることがわかった。次に、メインパルスよりも時間的に前にあるASE(自然放出光の増幅)成分の時間幅を調整することで、プリフォームドプラズマの大きさを制御できることを確認した。プリフォームドプラズマを計測し制御することは、コヒーレントX線の発生量最適化につながる。
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