研究概要 |
1.ソフトウエアの開発 相対論の効果を考慮したセグメント型基底関数の開発のために,Douglas-Kroll(DK)の方法を実装したFORTRANによる原子用HFプログラムを作成した.ランタニド、アクチニド原子を扱うために,f殻に開殻がある系も適用可能にした。 2.基底関数の作成とwebアプリケーションへの登録 これまでに作成した相対論を考慮した相関用基底関数を,webアプリケーションで公開するために,古賀-舘脇によって開発された非相対論基底関数を改良した。相対論を考慮するために,基底関数の規模を拡張し,さらにDK法による積分を使ってHFを解き直し基底関数を決めた.この基底関数に,相関用基底関数を加え,三倍精度,四倍精度の基底関数を作成し,データベースに登録し,webアプリケーション上に公開した.これで,Xe以降Lrまでの原子に対して,高精度の基底関数を公開したことになる。さらに、すべての基底関数にオプションとして広がった基底関数を加える機能を追加した。 3.内殻の電子相関用基底関数 アルカリ,アルカリ土類元素の内殻電子相関基底関数の開発のためのテスト計算を行い、内殻用相関軌道の組としては、(1d)と(1p1d1f)の大きさの基底関数を作成し、すでに開発した原子価用相関関数(1p)、(2p1d)、(3p2d1f)と組み合わせることとした。 4.学会発表 京都で行われた国際学会ICQCにおいて,アクチニド原子の基底関数の開発とwebアプリケーションについて発表を行った。
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