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2006 年度 実績報告書

量子ドット3次元構造体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18550006
研究種目

基盤研究(C)

研究機関茨城大学

研究代表者

泉岡 明  茨城大学, 理学部, 教授 (90193367)

キーワード量子ドット / ナノ材料 / 半導体物性 / 複合材料・物性 / 走査プローブ顕微鏡
研究概要

サブナノメーターサイズの金属クラスターの性質は金属ナノ粒子に比べ、金属原子どうしの相互作用よりも配位子との相互作用が大きく出ると考えられる。これまで、トリフェニルホスフィン誘導体を配位子として用いることでAu_6〜Au_<11>原子数が異なるクラスターが報告されている。我々はジチオカルバメート誘導体を配位子として用いることにより、サブナノメーターの金属ナノクラスターの調製とその基礎物性について検討を行った。
水溶性ジチオカルバメート塩と硝酸銀水溶液を混合することにより銀ナノ結晶を得た。本結晶はX線結晶構造解析より、Ag_9クラスターとAg_6クラスターを含み、すべての銀がAg^+・Ag^+で結合した構造であることがわかった。興味深いことにAg_9クラスターの中心銀原子のみが非常に大きな異方性温度因子を有する。本結晶の低温下におけるX線結晶構造解析を行ったところ、Ag_9クラスターの中心銀原子の縦方向の振動が抑えられており、常温下で観測された大きな異方性温度因子は、空間群の誤りに由来するディスオーダーや複数の安定ポテンシャルが存在している訳でなく、1つのポテンシャルにのみ存在していて大きく振動していることに由来すると示唆される。また、Ag_9クラスターの中心銀原子から4方向に極端に結合の短い部分が存在すること、配位子アニオンの個数からAg_9クラスターの中心銀原子は-1価であると予想される。さらに磁化率測定より本結晶は室温から極低温まで反磁性であり、電子スピンがAg_9クラスターの中心銀原子のみに局在化しているのではないことがわかった。この構造は銀ナノ粒子形成時における核構造と密接に関連していると考えられる。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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